引退惜別コラム
2020年8月23日、内田篤人が現役を引退。国内外から数多くの惜別の声が寄せられた。中でも、ドイツで7シーズン所属したシャルケからのメッセージは大きな反響を集めた。
親愛なるウッシーへ
約14年間の現役生活お疲れ様でした。
シャイな青年が逞しい選手と父親になってクラブを離れるまでの7年間はシャルケにとっても素敵な時間となりました。
忘れられない多くの想い出を本当にありがとう。
グリュック・アウフ#内田篤人 #ありがとう篤人 #AufGehtsウッシー pic.twitter.com/1sYcKCMFhM
— FCシャルケ04 (@s04_jp) August 23, 2020
海外のクラブで、これほどまで愛された選手はそう多くないだろう。内田篤人がこれほどまでシャルカー(シャルケファン)に愛されたのはなぜだったのか。長らくクラブを取材し続けているダニエル・テーベライト氏に綴ってもらった。
普通に数えると今年はまだ2020年だが、シャルケは3月に「今世紀のベストイレブン」を投票で決めた。サッカーファンが辛抱強かったことはないし、思い出に耽るのは、ペナルティキックやストライカーのようにサッカーにはつきものだ。というわけで、ブンデスリーガがコロナで中断していた時、シャルケのファンたちは各ポジション別に過去20年のお気に入り選手を選んだのだが、「21世紀最高の右SB」には投票率45.2%で内田篤人が選ばれた。今年のCL決勝に出場したパリ・サンジェルマンのドイツ代表ティロ・ケーラーに大きな差ををつけて。……
Profile
ダニエル テーベライト
1971年生まれ。大学でドイツ文学とスポーツ報道を学び、10年前からサッカージャーナリストに。『フランクフルター・ルントシャウ』、『ベルリナ・ツァイトゥンク』、『シュピーゲル』などで主に執筆。視点はピッチ内に限らず、サッカーの文化的・社会的・経済的な背景にも及ぶ。サッカー界の影を見ながらも、このスポーツへの情熱は変わらない。