水戸ホーリーホック社長・小島耕インタビュー(後編)
2020年7月、水戸ホーリーホックの代表取締役社長に就任した小島耕氏インタビュー。後編では「コロナ」「アジア」「新スタジアム」などをキーワードにクラブ経営について話を聞いた。東京から来た新社長は地方クラブの現状をどのように捉えているのか。
変わりつつある“応援”の定義
――ここからは経営の話を伺わせてください。先日発表された「2019年度クラブ経営情報開示資料」によると、水戸ホーリーホックの営業収益は約7億5000万円。まずはこの額をどのように捉えていますか?
「あまり業績が伸びていないのではないかと言われることが多いのですが、(2018年度から)約120%の成長率です。ただ、この営業収益額はJ2の中で下から数えた方が早い順位。ここから考えると、我われは残留争いをしていてもおかしくない規模のクラブです。昨年は7位なので、開幕前にはステークホルダーのみなさんから『今年はプレーオフを目指すのか?』と聞かれましたが、現実はそんなに簡単ではないです」
――経済力=チーム力だと考えていらっしゃいますか?
「いえ、お金がサッカーをやるわけではないので。人件費がうちの何倍というクラブに勝てることもあります。それはGMの西村卓朗をはじめ、監督や選手、スタッフが頑張ってくれているから。ただ、クラブの経済力と順位は比例する部分がある。そこはファン・サポーターにもある程度は理解していただきたい。勝つ確率を高めるためにも収益は増やしていかなければいけない」
――どれくらいの営業収益を得られれば昇格争いできる戦力を維持できるとお考えですか?……
Profile
玉利 剛一
1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。その後、筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。2019年よりフットボリスタ編集部所属。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆を行っている。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」も運営。ツイッターID:@7additinaltime