引退惜別コラム
8月4日、イケル・カシージャスが正式に引退を発表した。
Lo importante es el camino que recorres y la gente que te acompaña, no el destino al que te lleva, porque eso con trabajo y esfuerzo, llega solo y creo que puedo decir, sin dudar, que ha sido el camino y el destino soñado #Grac1as pic.twitter.com/xb8ucs9REh
— Iker Casillas (@IkerCasillas) August 4, 2020
下部組織から過ごしたレアル・マドリーで、スペイン代表で長らく正GKとして君臨し一時代を築いた名手の活躍を現地スペインで見届けてきた木村浩嗣さんに、彼への惜別を文字に込めて綴ってもらった。
説明が難しい「安心感」
イケル・カシージャスは私のGK観を変えたキーパーだ。
GKはダビド・デ・ヘアのようにサイズが大きく、ビクトル・バルデスのようにアグレッシブな方が良い、と昔は思っていた。ゴールの大きさは誰にも一定だからサイズが大きいほど有利だし、ミスが即失点に繋がり敗戦が個の責任にされやすいポジションの特性上、弱い性格では務まらないし、心と体は繋がっていてアグレッシブさ=瞬発力とも言えるからだ。いや、今も少しは思っているか。カシージャスが持つものを持っているGKはめったにいないから、しょうがなくサイズで、アグレッシブさでという選び方になってしまうのだ。……
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。