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具体的にはどうトレーニングを構築すればいい? モルフォサイクルの実例

2020.06.03

戦術的ピリオダイゼーションは体系化されたトレーニングメソッドであるが、「具体的にこういう練習メニューをしろ」とは言っていない。そこは各チームのゲームモデルやプレー原則によって決まるからだ。しかし、抽象論が得意な欧州の人たちとは違い、我われ日本人は具体から入るのが得意。

そこで、初の著書 「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書 欧州サッカーの新機軸「戦術的ピリオダイゼーション」実践編 にてトレーニング理論と実例をわかりやすく解説している東大ア式蹴球部監督の山口遼氏に仮想のゲームモデルとプレー原則を設定してもらい、具体的なモルフォサイクル(1週間のトレーニングサイクル)を作ってもらった。

 2010年代から続く、グアルディオラやモウリーニョを旗印とした戦術およびトレーニングメソッドに関するパラダイムシフトの影響もあり、戦術的ピリオダイゼーションという考え方もまた日本のコアなサッカー関係者やファンの間で知られるようになった。

 戦術的ピリオダイゼーションは、3つの柱から構築されている理論だと考えられる。1つ目はシステム思考や複雑系科学から大きな影響を受けた思想/哲学的な部分、2つ目は複雑なサッカーというスポーツを効果的にマネージメントするための手段であるゲームモデルに関する部分、そして3つ目が実際に現場で戦術的ピリオダイゼーションを運用するためのトレーニングメソッドだ。

 日本で最も馴染み深いのは、フットボリスタでもたびたび取り上げられるゲームモデルに関する部分だろう。同時に、思考/哲学の部分も徐々に英語の文献や翻訳本などを通して知られるようになってきている。一方で、最も浸透していないのは3つ目のこの理論からいかにトレーニングを構築し、現実的に現場で運用していくのかという点である。

 「サッカーはサッカーをすることでしかうまくならない」という言葉が標語のように語られるものの、それを額面通りに鵜呑みにして単なるゲーム形式の練習を延々と続ければチームが勝てるようになるわけではない。このような背景を受けて、今回の記事では戦術的ピリオダイゼーションをどのように1週間のトレーニングに活用していくのか?――いわゆるモルフォサイクルの内容について、実際のトレーニングメニューを例として紹介しながら説明していきたいと思う。……

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モルフォサイクル戦術戦術的ピリオダイゼーション

Profile

山口 遼

1995年11月23日、茨城県つくば市出身。東京大学工学部化学システム工学科中退。鹿島アントラーズつくばJY、鹿島アントラーズユースを経て、東京大学ア式蹴球部へ。2020年シーズンから同部監督および東京ユナイテッドFCコーチを兼任。2022年シーズンはY.S.C.C.セカンド監督、2023年シーズンからはエリース東京FC監督を務める。twitter: @ryo14afd

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