2019-20シーズンのブンデスリーガで首位争いを演じ、これまでに残してきた実績がフロックでないことをあらためて証明したRBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマン。32歳の指揮官がドイツのスポーツ雑誌『ソクラテス』の中で、自身の仕事の進め方を詳しく明かしている。
ペップ・グアルディオラ時代のバルセロナ、ラルフ・ラングニック時代のホッフェンハイム、そして、自身が選手としてアウクスブルク時代に指導を受けた現パリ・サンジェルマン監督のトーマス・トゥヘル。彼ら3人から影響を受けたと振り返ったナーゲルスマンは、近年の傾向をこう説明する。
「マッチプランは、少しずつ意味を失いつつある。というのも、試合の流れの中で常に調節して適合させなければならないからね」
続けて、「3年前なら、試合前にしっかりとマッチプランを構築して、それを1試合通して最後まで実行することもできた」とコメント。試合前の準備の意味が変わったことを実感しているという。
「現在の試合前の準備は、対戦相手の具体的なイメージをつかみ、その試合のための理想的なメンバーの組み合わせや配置を見つけ出して、選手たちを試合に送り出すことなんだ。常に複数のフォーメーションに対して準備をしておかないといけないし、さまざまな数的有利・不利の状況について備えておかないといけない」……
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。