僕にとって特別な試合 セルジ・サンペール独占インタビュー
2019年7月23日、27日に『Rakuten CUP Supported by スカルプD』が開催される。FCバルセロナが来日し、チェルシーFC(23日、埼玉スタジアム2○○2)、ヴィッセル神戸(27日、ノエビアスタジアム神戸)と対戦する。イニエスタ、ビジャと共に古巣対戦となるのがセルジ・サンペールだ。生まれも育ちもバルセロナという生粋の“バルセロナっ子”の彼が神戸への移籍を決めた理由、そして、日本への想いを語った。
footballistaが責任編集で制作し、現在Rakuten公式サイトで販売中の『Rakuten CUP マッチデープログラム』の中から独占インタビューの一部をプログラム未公開写真と共にお届けする。
初の国外挑戦
――来日して4カ月が経ちますが、日本での生活には慣れてきましたか?
「だいぶ慣れてきたよ。特に、生活面ではまったく問題ない。今はまだサッカー面での適応に苦労しているけど、日本に来たことは僕にとって大きな変化だったから時間がかかる。ただ、全般的にはうまく行っていると思っているよ」
――初の国外挑戦が、欧州を飛び越えまったく文化の異なる日本。迷いはなかったんでしょうか?
「とても難しい決断だったよ。でも、僕にとってヴィッセル神戸のプロジェクトは魅力的で、意欲をかきたてられる挑戦だった。選手として、自分が必要とされている感覚を取り戻すことができるという確信を持てたから、ここに来ることを決断したんだ」
――日本ついて、イニエスタからはどんなふうに聞かされていましたか?
「根本的な話で、再びフットボールを楽しむべきだとアドバイスをくれたよ。あとは、Jリーグはとても競争力、レベルが高くて、選手としての成長にも繋がるとも話してくれた。また一緒にプレーできればいいねと誘ってくれたんだ。今回の決断において、アンドレスの存在は大きかったよ」
――実際に来てみて、日本サッカーのレベルや印象はいかがでしょうか?
「スピーディーでダイレクトな展開が多いサッカーだね。必然的にトランジション(切り替え)の局面が多くなるから、試合をコントロールする難易度は高いと感じているよ」
――だからこそ、ヴィッセル神戸は中盤でゲームをコントロールすることに長けたあなたに白羽の矢を立てたのですね?
「そう理解している。まだ適応し切れていない部分もあるけど、そこは時間が解決してくれると考えているよ」
――イニエスタの話にもあった通り、実際にプレーをしてみて日本サッカーのレベルは高いと感じますか?
「そうだね。来る前にいろいろな人から言われていた通り、質は高いと感じている。特に、選手の技術的なレベルが高くてスピードのある選手も多いから、自分のようなタイプのプレーヤーにとっては特に難しいリーグだね」
とにかく今は、ワクワクしている
――バルサの仲間が来日しますが、オススメしたい日本の観光スポットは?
「やっぱり、今住んでいる神戸は勧めたいよね。中でも三宮、ハーバーランドがイチ押し。あとは近場の京都や大阪、奈良の観光地も。僕は日本の文化も大好きだから、彼らには今回、日本の文化も味わってもらいたいと思っているよ」
――セルジ・ロベルトが昨夏、バケーションで日本に観光に来ていたようですが、日本観光の感想を聞きましたか?
「とても良かったみたいだよ。日本を気に入ったみたいで、自分もいつか日本に住んでみたいって言ってたからね」
――古巣バルセロナ戦への意気込みとファンへのメッセージをお願いします。
「とにかく今は、古巣との対戦にワクワクしてる。僕にとって特別な試合になるし、チームメイトだった友人たちと再会できるのを楽しみにしているよ。サポーターのみんなにも、世界最高レベルの選手がそろうバルサとの一戦をぜひ楽しんでもらいたい。日本でバルサのようなチーム、サッカーを見る機会はそう多くないからね。親善試合だからこそ結果よりも内容にこだわりたいし、バルサ相手にしっかりとしたサッカーをお見せしたいと思っているよ」
サンペール独占インタビュー完全版が読めるのは「Rakuten CUP マッチデープログラム」。バルセロナ、メッシ、ラ・マシアへの想いを語る。ご購入はこちら
Sergi SAMPER Montaña
セルジ・サンペール・モンターニャ(ヴィッセル神戸)
1995.1.20(24歳)182cm / 73kg MF SPAIN
カタルーニャ州バルセロナ出身。5歳年上の兄ジョルディはプロテニスプレーヤーというスポーツ一家に生まれ、国内外から未来のスター候補生が集結するバルセロナに6歳で加入後、一度も脱落することなくトップチームまで上り詰めた。2016–17にグラナダ、2017–18にはラスパルマスへのレンタル移籍を経験。そして2019年、先輩であるアンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャの後を追いヴィッセル神戸の一員となった。
PLAYING CAREER
2013-16 Barcelona
2016-17 Granada⋆
2017-18 Las Palmas⋆
2018-19 Barcelona
2019- Vissel Kobe (JPN)
⋆=loan
Photos: Takuya Nagaimine
Profile
小澤 一郎
1977年、京都府生まれ。サッカージャーナリスト。早稲田大学教育学部卒業後、社会人経験を経て渡西。バレンシアで5年間活動し、2010年に帰国。日本とスペインで育成年代の指導経験を持ち、指導者目線の戦術・育成論やインタビューを得意とする。専門媒体に寄稿する傍ら、欧州サッカー(ラ・リーガ/ポルトガルリーグ/CL)の解説、関連番組 などに出演。著書17冊(訳書、構成書も含む)。(株)アレナトーレ所属。