“ケガをした選手がどんな日々を送るのか、みんなに見てもらいたい”
Héctor Bellerín
エクトル・ベジェリン
DF2|アーセナル
1995.3.19(24歳) SPAIN
今年1月のチェルシー戦で左膝の前十字靱帯を断裂したベジェリンは、プロキャリア初の深刻なケガに立ち向かうべく、復帰までの道のりを自身のYouTubeチャンネルでファンと共有することにした。リハビリや練習内容だけでなく、ケガをした選手が何を思い、どんな生活を送るのか知ってほしいという。最初の投稿は、負傷した日の晩の映像だった。
「方向転換した時、味わったことのない感覚が左膝を襲った」とプロテクターで固められた膝を映すベジェリン。手術を受けるのは初めてなので「怖いよ」と漏らしながらも、「似たようなケガを乗り越えた仲間を見てきたので、覚悟はできている。強くなって戻ってくる」と誓った。手術前日の動画では「変に聞こえるかもしれないが、ちょっとワクワクしている。とにかく手術を済ませたいのさ」と話し、翌日には病院のベッドの上で手術の説明までした。全身麻酔ではないので「術中に何か動画を見せてくれるみたいだよ」と。
その後、「手術=成功」とツイートして写真をアップ。それから数日後に退院すると、痛々しい治療箇所の写真を投稿し、「順調さ。ようやく人間の膝らしく見えてきたね」と冗談を綴った。復帰まで半年から1年近くかかる大ケガだが、彼ならこのまま飄々と乗り越えてしまうのかもしれない。
Photo: Getty Images
Profile
田島 大
埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。