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現代サッカーよ、覚悟は良いか? 世代超えたグランデ・ミラン召喚

2018.12.11

至高のチームをWCCFで再現!私のベストイレブン


15周年の節目を迎えたWCCF。醍醐味である国やクラブ、時代を超えた自分だけの“ドリームチーム”作りはもちろんのこと、自分が好きな国やクラブの選手を集めて最高のチームを作る“○○縛り”も楽しみ方の一つとして定着している。その長い歴史の間に積み重ねられてきた百花繚乱のカードを使って、一家言あるフットボリスタ執筆陣が選ぶ最高の○○チームを、ここに再現する。

#11 神尾光臣さんが選ぶ至高のミラン

 もし世代を超えた最強チームが編成できるなら、現在調子に乗っているメガクラブなど物の数ではないのに――ゾーンプレスでサッカーシーンを塗り替え、その後も豪華戦力で一世を風靡し続けた“グランデ・ミラン”の姿を知るミラニスタなら、一度はそう考えたことがあるのではないか。ならばここはWCCFを通してスターたちを“召喚”し、復興の手がかりをつかむのに苦労している現在のチームに代わって粉砕してもらおう。果たして、国内7連覇中のユベントスを黙らせ、レアル・マドリーをひねり潰し、バルセロナやマンチェスター・シティの華麗なパスサッカーを封じるに足るチームとなり得るのか。

 GKには、ブッフォンに破られるまでセリエAの連続無失点記録を保持していたセバスティアーノ・ロッシを……と思ったが、WCCFでの登場はペルージャ時代のみ。そこで、現チームからジャンルイジ・ドンナルンマを招集することにした。

 待て待て、サポーターとたびたび揉め、最近は調子も落としていると言われるヤツを選ぶのか? やはり神尾は何もわかっていない、と言われそうだが、これでいいのだ。実力に議論の余地はない。下部組織上がりで19歳にしてアズーリの正GKに収まるミランのGKはいただろうか? それに、堅守はGKのみならずDFラインも含めた守備のユニットとして築くもの。前方に固い守備陣がいれば、“ジージョ”の経験不足が足枷になることはない。

グランデ・ミランの“ルネサンス”を担うべき19歳、“ジージョ”ことドンナルンマは現役選手から唯一メンバー入り

 そのDFラインは、80年代後半から90年代前半にかけて活躍した黄金のメンバーが中心となる。優れた統率力でハイラインを可能にするフランコ・バレージ、CBとしても機能する史上最高の左SBの一人パオロ・マルディーニは当然の選出。右SBはカフーと迷ったが、戦術を知りマンツーマンも堅いマウロ・タソッティのバランスを優先することにした。その輝かしいメンバーに割って入るのは、イタリアサッカー界でも歴代最強のCBと目されるアレッサンドロ・ネスタ。組織としても機能するのみならず、対人にも強い。高く張られた4バックによるラインDFでセリエAと欧州サッカーを席巻したミランは、現在も下部組織は4バックの下で鍛えられることが原則となっている。クラブのカルチャーの大元となった先人たちに、ぜひとも現在のスター選手たちを封じてもらいたいものである。

10季所属したミランでの後半はたび重なるケガに苦しめられたが、コンディションさえ良ければ最高のパフォーマンスで歴戦のFWをシャットアウトしてみせたネスタ

 というわけで、戦術はアリーゴ・サッキ時代のゾーンプレスが主体。プレスを繰り出す関係上、布陣は中盤がフラットに並ぶ[4-4-2]だ。

 メディアーノ(セントラルMF)2人はアンドレア・ピルロとフランク・ライカールトで決定。[4-3-2-1]のレジスタとして活躍した印象の強いピルロの隣に、身体能力が高く攻撃センスも兼備する近代型ボランチの走りとなったライカールトを置くことで守備上のウィークポイントを相殺。

ミラン移籍後に攻撃的MFからレジスタへとポジションを下げて才能が開花、CLを2度制したアンチェロッティが好んだ“クリスマスツリー”システムに不可欠だったピルロ

 タレントの多かった攻撃的MFの一角にはカカを選択。卓越したスピードでボールを運び、チャンスメイクと得点の両方を担うエースの抜擢に異論を唱える者はいないだろう。右サイドには、オランダトリオをどうしてもそろえたかったという理由でルート・フリットを置いた。彼が本領を発揮したのはFWとしてであり、右サイドMFとしてのプレイ経験はあっても機能しなかったのだが、それでも3トップにはしない。なぜなら、ミランだから。ベルルスコーニ元会長が「エリア内にストライカー2人を置く2トップが至高」と言っていたのだからそうなのだ。3トップの方がピッチを占有しやすく、サイド攻撃も組み立てやすいなど様々な利点があるが、そんなことは関係ない。2トップが絶対正義なのだ。どのみち前線はマルコ・ファン・バステンにアンドリー・シェフチェンコと、2人だけで相手DFを粉砕してくれそうなコンビである。

2000年代、ミランでの活躍によりバロンドールを獲得したシェフチェンコ(右/2004年)とカカー(2007年)。栄華へとチームを牽引したレジェンドだ

 紹介し切れなかった他のレジェンド選手を組み合わせれば、戦術の幅はさらに広がる。あなただけのグランデ・ミランを築き、現代サッカーに挑戦だ。

○ ○ ○

 そんなWCCFでは本日12月11日(火)から、来春に稼働開始を控える新作『WCCF FOOTISTA 2019』(以下FOOTISTA)のロケーションテストがスタート!

 加えて、今回のロケテストでの成績上位者が出場できる大会『WCCF FOOTISTA 2019 Ambassador Cup』の開催が発表された。出場者および優勝者には『FOOTISTA』で使用できる称号が送られ、さらに優勝者は『FOOTISTA』のオフィシャルアンバサダーとして、ゲームのプロモーション活動などに関わることができる。

 今回、ロケテストが実施されるのは以下の3店舗。

クラブ セガ 新宿西口(東京都新宿区西新宿1-12-5)
セガ秋葉原3号館(東京都千代田区外神田1-11-11外神田1丁目ビルディング)
セガ神楽坂(東京都新宿区神楽坂2-11第2カグラヒルズ1F)

 ロケテストに関する詳しい情報や『WCCF FOOTISTA 2019 Ambassador Cup』の詳細はFOOTISTA公式サイトでご確認ください!


■『WCCF』 基本情報

商品名 WORLD CLUB Champion Football 2017-2018 Ver.3.0
ジャンル スポーツカードゲーム
公式サイト http://www.wccf.jp/


全国のゲームセンター等で絶賛稼働中!


■WCCFで再現!私のベストイレブン
#1 頂点を極めた歴代ラ・ロハ以上!華麗なる”最光”スペイン代表
#2 取られた以上に取ればいい。破壊力なら宇宙一のセレソン
#3 「ポゼッション下手」よさらば。PK戦も心配無用のイングランド
#4 「10番が多いほど美しい」。「個」>「組織」がアルゼンチン
#5 W杯優勝98年組と現代表+α 華麗な“おたわむれ”レ・ブルー
#6 とにかく「1対1で勝つ」。懐かしの“ゲルマン”なドイツ代表
#7 ポゼッション100%も夢じゃない。ドリームチーム+ペップ・バルサ
#8 名門の黄金世代が詰まった“ゴールデン・ユベントス”
#9 妄想爆発!ボスイズムあふれるロマン派アーセナルイレブン
#10 バイエルン史そのもの。殿堂入り名手が集結し、無骨な盟主再び


Photos: Getty Images

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WCCFミラン

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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