19年目に突入!サッカーファンとともに歩むFoot !がいま、伝えたいこと
『footballista』はこの11月で13年目を迎えましたが、J SPORTSのサッカー番組『デイリーサッカーニュース Foot!』は今年でなんと19年目に突入!
サッカーを取り巻く環境が刻一刻と変化する今、日本のサッカー文化を真摯に伝え続けてきた“先輩”はどんな想いで番組を届けようとしているのか。2人のプロデューサー、菅原慎吾さんと土屋雅史さんに聞きました。
原点回帰&挑戦の“ハイブリッド”
「どうせやるならクレイジーなことを」(菅原)
「100人のうち5人に刺さる放送を作りたい」(土屋)
──今シーズンから、曜日ごとの特集ラインナップが大きく変わりました。まずはその狙いから聞かせてください。
菅原「一番大きな変更点として、金曜日にプレビューを始めました。いわゆるプレビューと謳った番組が日本にはありませんでした。ですので、(番組統括プロデューサーの)田口賢司や、(金曜日のMCを務めるアナウンサーの)下田恒幸さんともいろいろ話をして、今のような形になっています」
土屋「番組の初期、それこそ僕がまだ視聴者だったころの『Foot!』は週に2回で火曜日にレビュー、金曜日にプレビューという番組構成だったんです。ですから、形としては当時に近いですし、1週間のサイクルとしては一番いいんじゃないかと思っています」
菅原「1週間の構成で言いますと、月曜日と金曜日はプレミアのレビュー&プレビューです。ちゃんとしたアナウンサーがいて、ソリッドな作りになっています。それから、高校年代を取り上げている木曜日は素材が豊富ですので、サッカー番組と胸を張って言えます。一方で、火曜日と水曜日は動いているボールが一回も出てこないこともあります。作り手側もクレイジーなら見てくれる方もいい意味でクレイジー、愛すべきクレイジーなんで(笑)、そんな人たちを増やしていきたいなと思っています」
──そんなクレイジーな火曜日と水曜日は、どんな想いで作っているんでしょうか?
土屋「「火曜日はいろいろと(言いたいことが)あるんじゃないですか(笑)」
菅原「じゃあ火曜日からいきましょう。もともとJ SPORTSはリーガ・エスパニョーラというコンテンツをすごく大事にしてきました。番組立ち上げ当時から取り上げてきましたし、『日本のリーガのカルチャーを作ってきた』という自負もあります。それは僕だけでなく田口も同じです。その田口から、『菅原がやらなきゃJ SPORTSのリーガは終わっちゃうぞ』と口説き落とされて、今までは8~10分だったところを30分まるまる使ってリーガの魅力を掘り下げる曜日にしました」
──「蹴球思想家」Leo the footballさんを抜擢して話題になっていますよね。彼の起用を決めたのも菅原さんなのでしょうか?
菅原「最初YouTubeで起用してみたところ田口が気に入りまして。まさかレギュラーにするとは思っておらず大きく出たな、と思いました(笑)」
土屋「「僕らが番組を始めたころは、ある意味自分たちの仕事に集中していれば良かった。でも今は、SNSの反応がダイレクトに返ってきます。ただ、(反応が)可視化される分、逆にそこに左右され過ぎてもいけないなと。うまく取り入れつつ、でも自分たちがやるべきことはやる。そこのバランス感覚は昔以上に求められていると感じています」
菅原「土屋が昨シーズンは金曜日、今シーズンから水曜日にやっている企画の中にはかなりチャレンジングな回があります。僕も土屋も、お互いブレずにやらなきゃいけないなと思っています」
───弊誌編集長の浅野も昨年、出演させていただいたフォーマットですよね。
土屋「「そうです。もともと『Talking Foot!』というタイトルで、司会者なし、出演者2人ないし3人で、一つのテーマを語り尽くすというフォーマットを月に1回、1年半ほどやっていました。司会者がいると、どうしても形式ばって、出演者の素の部分が出てこないんじゃないかということで田口の発案で始まったんですが、実際にやってみると打ち合わせで出てこなかったような話が出てきたりして、制作側も手ごたえを感じていたんです。正直まさか週1でやるとは思っていませんでしたけどね(苦笑)。当時僕は『Foot!』の担当ではなかったんですが、これをやれるのであればもう一度『Foot!』でチャレンジするのも面白いなと思い戻ってきたという経緯もあり、かなり気合を入れて取り組んでいます
菅原「回によっては、絶対に30分じゃ足りない時もあります。2週連続にする時もありますけど、泣く泣く編集することも少なくないと聞いています」
───弊誌でもおなじみ、林舞輝さんも出演されました。
土屋「「ずっと出てほしいなと思っていたんですがなかなかタイミングが合わなくて、最初は本放送ではなくオンデマンドで出演してもらいました。その後、お話を聞くと『戦術リストランテⅤ』で対談した西部謙司さんと直接お会いしていないと聞いたので、じゃあ一緒に出てもらいたいなということでオファーして出演してもらいました」
菅原「僕も気になっていたので収録を見に行ったんです。見た目は普通の大学生って感じなんですけど、ユーモアがあるし聞き手を意識してしゃべることもできる。指導者としても楽しみだなと思いました」
───その他に、印象に残っている回はありますか?
土屋「「昨年、スパイクの販売員とバイヤーの方に来ていただいた回ですね。当然テレビに出たことのなかったお2人を半ば強引にカメラの前に引っ張り出してきたので、正直最初は『ちょっと申し訳なかったかな』と思いました。でも、一度スイッチが入ると『どれだけスパイク愛があるんだ!』ってくらい話が弾んでいったんです。それに味をしめて、一時期初めてテレビに出る方ばかり呼んでしまったりもしたんですが(苦笑)。制作現場で話しているのは、『見てくれている人が100人だとしたら、そのうち5人に刺さる番組を作りたい』です。その5人が永久保存版にしてくれたり、何度も見返したいと思ってくれたりする、そんな内容を目指すのがこの曜日の役割だと思っています」
───もう一つ今年から始まった、高校年代を取り上げている木曜日の見どころもうかがえますか?
土屋「「日本の高校年代の最高峰、高円宮杯プレミアリーグを年間通して追いかけようというのがコンセプトです。見どころとしては、まずは何よりフレッシュ。映像もそうですし、取材をしていても初々しくて心が洗われますよ(笑)」
菅原「僕は以前『BarcaTV』でバルセロナの下部組織を追いかける番組を担当していました。その視点から言うと、ある選手が活躍してきた時に『この選手、知ってる』ってなると楽しいですよ」
土屋「「高校年代に関しては、『5年スパン』で考えています。今の世代がプロの世界で活躍し出す頃を見据えておくと、作り手にとっても視聴者にとってもいい蓄積になるのかなと考えています」
───最後にあらためて、今後に向けた意気込みをお願いします。
菅原「火曜日に関しては、辛抱強く見ていただければ(笑)。当初は、真っ暗闇を僕とLeoとスタッフで手を繋いで歩いていたような感じで試行錯誤していましたが、遠くの方に光明が見えてきました。回を追うごとに良くなってきていますので。それから、最近またインタビューの機会が増えてきているので、『footballista』さんと協力してそれこそメッシとか、大物をインタビューできたらいいですね」
土屋「「僕は日本のサッカー関係者の方に育ててもらったという想いが強くあって、水曜日はそんな方々を紹介できるチャンスをもらっていると考えています。『Foot!』の視聴者は基本的に海外サッカー好きの方が多いです。そんな方に『国内にもこんな面白い人がいるんだ』って興味を持ってもらうことで、海外サッカーと国内サッカーファンをうまくリンクさせられたら、させなければいけないと思っています」
『デイリーサッカーニュース Foot!』
18-19 ウィークリーラインナップ
Foot! MONDAY
MC:西岡明彦
コメンテーター:ベン・メイブリー
週末に行われたイングランド プレミアリーグのゲームをレビュー! ベン・メイブリー氏の分析と現地メディアの論評も紹介する。
Foot! MARTES
コメンテーター:Leo the football/菅原慎吾プロデューサー
YouTubeなどで活躍中の自称「蹴球思想家」Leo the footballがレギュラーMCとして登場!菅原プロデューサーとともにリーガ・エスパニョーラ情報や世界のサッカーニュースをお届け。
Foot! WEDNESDAY
昨年までのFRIDAYがお引越し! 毎週2、3人のゲストを迎え、MCなしで一つのテーマについて語り尽くす。
本日12月5日(水)22時~の放送は川端暁彦さんと弊誌編集長・浅野賀一による『バル・フットボリスタextra』。お楽しみに!
https://youtu.be/3dmAlOgc4Po
Foot! THURSDAY
MC:ワッキー(ペナルティ)
コメンテーター:名良橋晃
木曜日は高校年代最高峰の高円宮杯プレミアリーグや夏のインターハイなど、学生サッカー情報を中心にお届け。
Foot! FRIDAY
MC:下田 恒幸
コメンテーター:J SPORTS解説陣
ヨーロッパの一流選手の一つのプレーに焦点を当て、徹底解析!選手から見たその場にあった選択肢、選択した判断をJ SPORTS 解説陣が分析。さらに、週末のプレミアリーグの試合をプレビューする。
『Foot!』に加えイングランド・プレミアリーグ注目試合・プレビューショー・ハイライトなど充実のラインアップでお届け!『J SPORTS』は次の3つの方法で視聴できます!
①BSで見る
最短で即日視聴可能!お申し込みは電話 or WEBで
■電話:スカパー!カスタマーセンター(新規加入窓口)
0120-097-992 受付時間:10:00~20:00(年中無休)
■WEB:こちらから24時間いつでも申込可能!
※ご視聴にはスカパー!との契約、ならびに 110度CS対応BSアンテナが必要となります
②ケーブルテレビで見る
J:COMなどお近くのケーブルテレビ局へ
※視聴可能なチャンネルはケーブルテレビ局により異なります
※J SPORTS 4は有料オプションとなります
③PC・スマホ・タブレットで見る
いつでもどこでも視聴可能! 25歳以下は半額「U25割」
フットサル&サッカー情報パック:月額1,000円
U25割:月額500円
※有料サービスとなります
※金額は税抜です
※18/19 イングランド プレミアリーグはJ SPORTS オンデマンドではご視聴いただけません
詳しい情報等はJ SPORTS公式サイトならびにJ SPORTS カスタマーセンター(03-5500-3488/10:00 ~18:00)へお問い合わせください。
Profile
久保 佑一郎
1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。