宮本恒靖×名波浩 クラシコ直前スペシャル対談
2人の元日本代表が大いに語る
人気・実力ともに世界のトップを争うビッグクラブ、バルセロナとレアル・マドリード。この2チームが激突する伝統の一戦クラシコが現地5月6日(日)に行われる。その大注目の対決を前に、2度のW杯で主将を務めたWOWOW解説者・宮本恒靖と、かつて日本代表の10番として活躍したジュビロ磐田の名波浩監督によるスペシャル対談が実現。リーガエスパニョーラの魅力、クラシコの予想、リーガで活躍する日本人、監督論、はたまた日本サッカーの未来まで鋭く迫った。
天才レフティが考えるリーガの魅力
「なんか変な感じですね」と宮本が話し、「なかなかゆっくり話す機会がないからなあ」と名波が応え、お互いがよそよそしい感じで始まったこの日の対談。しかし、宮本がリーガエスパニョーラについて話を振ると、サッカー談義は一気にトップギアへと入った。名波は、「僕が選手としても監督としても掲げていた美しくて面白いサッカーというのは、人もボールもよく動くもの。さらに攻撃のシュートシーン、シュートの前のアシスト、その前の崩しのシーンなどの回数が多いスペインリーグは楽しい」とリーガの魅力を説明する。
名波が考えるバルセロナとレアル・マドリードの哲学
名波はバルセロナに関する本を執筆するほどバルサに精通している。宮本からの「一番好きなバルサは?」の質問に対して、悩みながらも「やっぱりシャビ、イニエスタがいる時代かな。僕自身がポジションも似ているとこをやっていたので、彼らの運動量とボールタッチはいつも気にしてみていた」と名波は答えた。バルサの中心であるメッシについては、「(ジュビロ磐田の)選手によく言っているのは、難しいことを簡単に見せるのがプロだよ、と。メッシなんか特にそうだよね」と絶賛していた。
一方、クラシコでバルセロナと対峙するRマドリードについては、自らが用意してきた15-16シーズン第31節のクラシコ(※注:2-1でRマドリードが勝利)の試合データを引合いに出し説明。「バルサにあえてボールを握らせて、自分たちはショートカウンターやカウンターを意識したサッカーにしようとジダンは考えていたと思うんだけど、そのように腹をくくれるジダンというのを、このゲームであらためて感じた。それがCL連覇や、もちろんリーガ優勝にも反映されたんだと思う」と分析した。名波は、ジダンと現役時代にピッチ上で対戦している。その時の感想について、「すごくうまかったよね。一番うまかった。あの身体で、そんなボールの止め方するの?みたいな柔軟性。ワンタッチもノールックで出したりするけど、一体いつどこで見ているんだろう」と驚愕を覚えたと語った。
クラシコを大胆予想!その結果は!?
今季最初のクラシコは、2017年12月23日にRマドリードのホームで行われ、0-3でバルサが快勝した。気になる今回の勝敗については、「1-1か2-2のドローかな」と予想した。「バルサは今シーズンの立ち上がりの頃と比べると調子は横ばいで、今結果がついてきているのは個の力によるものという感じがする。レアルのロナウドの復調も考えると、バルサが勝つのは難しいのかな」と理由を説明した。
乾がリーガで信頼を得た理由、柴崎が苦労している理由
現在リーガエスパニョーラで戦う日本人選手は、乾貴士(エイバル)と柴崎岳(ヘタフェ)。3シーズン目を迎えた乾は今やチームの中心として活躍。「一番大きな理由は、監督に認められたこと」と名波は説明する。宮本も「乾というとドリブルとか攻撃のイメージの選手だけど、最近は守備面での頑張りがすごい」と話せば、名波は「あえて言うならもう少し決定力は欲しいかな。もっと早いタイミングで人を使いながら違う選択肢やアイデアが生まれてくると、それこそバルサみたいなチームに入っても遜色なくできそうな気がする」と今後の活躍を期待していた。
対するリーガ1シーズン目となる柴崎について名波は、「個人的には、ものすごく良い苦労の仕方だと思う。決して監督に見放されているわけではないし、味方からボールが来ないわけでもない。どこが彼の一番良さを出せるのかというのを監督が探している最中なのかなと思う」と柴崎の現状を説明した。
日本代表の監督は「ツネがなればいいんだよ」
監督になって、多くの先輩諸氏に貪欲にアドバイスを求める名波。ガンバ大阪で一時代を築いた西野朗氏から教わって一番心に残っているのは、「選手交代」について。西野氏は「勝っていても、先に(交代を)したい」そうで、理由は「中にいる選手たちに刺激を与えたい」から。また、1998年のW杯フランス大会で日本代表を率いた岡田武史氏については、「岡田さんはモチベーター。いろいろな本から引用したり、自分の経験のことを話してくれたりした」と笑顔で当時を振り返った。宮本から「将来的に代表監督は?」と聞かれると、「ツネが代表監督になればいいんだよ。今もし代表監督を要請されたら、システムやメンバーはもう頭にあるでしょ?」と逆質問。これには宮本も「そういうのは持っていますね」と答え、名波も「俺もどの年代になってもそういうのはずっと持っていたい。心を持っていない代表チームは見たくないね」と自分の胸を指し、血が通ったサムライブルーを期待していた。
日本代表がワールドカップロシア大会で勝つために必要なこと
宮本から、「ロシア大会ではどういうサッカーをすれば勝てますか?」という質問に対して、名波は「コロンビア、セネガル、ポーランドのどこと戦っても守備の時間が長くなる気がする。セネガルだけ唯一押し込める時間が増える感じはあるね。今の日本代表の個々のレベルを考えたら、もう少し前でプレーできるのではないかと思う」と持論を展開。最後に日本サッカー界が将来進むべき道について話が及ぶと、「(98年W杯で)俺たちの悪かったところ、(02年W杯で)ツネたちの悔しかったところを全部汲み取ってくれて、そこから何年後かを目指して、成功体験をどんどん増やして成長していってほしいなと思う」と期待を込めて対談を締め括った。
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なおこの対談は、一部が4月30日(月・祝)の『リーガダイジェスト!拡大版<クラシコ直前>』(夜8:00~/WOWOWライブ)で、完全版が5月3日(木・祝)の『サッカーSP対談 宮本恒靖×名波浩 ~クラシコ、そして日本サッカーの未来~』(夜6:30~/WOWOWプライム、無料放送)で放送される。
◆WOWOW番組情報
『緊急開催!クラシコ歴代ドラフト会議』
5/4(金・祝)夜8:00~[WOWOWライブ]
現地より生中継!リーガエスパニョーラ17-18 第36節 伝統の一戦クラシコ
バルセロナvsレアル・マドリード
5/6(日)深夜3:30~[WOWOWライブ]※生中継
※その他放送カード等、詳しい情報は番組オフィシャルサイトでご確認ください。
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