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クラッキーが指南。予想上手への近道は「継続は力なり」

2018.02.10

帰ってきた海外toto、俺の攻略法#3


クラブ、選手、戦術…… 自分が何にこだわって予想しているのか。一家言持つ海外サッカー好きが、海外totoを題材に独自の攻略法を大公開する「海外toto、俺の攻略法」が今年も登場!

第3回はサッカー実況の第一人者、「クラッキー」こと倉敷保雄さんが挑戦!

予想者:倉敷保雄(フリーアナウンサー)

対象のtoto:第987回:販売期間2月10日(土)~17日(土)


 予想の心得ということで話をさせていただくと、まずは買うことです。何かを賭けることによって自分の楽しみが増しますし、勝つことによって次への意欲が湧いてきて、それがサッカーへの理解を深めることに繋がります。

 次に大事なのは、1つ目とも繋がってくるのですが「継続は力なり」、つまり続けることです。知るということは次の試合が見たくなる、楽しくなるということですから、totoのために調べて、買って、当てていくというのは趣味として十分に成り立つものです。負担のかからない範囲で付き合っていけば楽しいし、サッカーのリテラシーも自然と上がってくる。分析の楽しさっていうのはそういうところにありますので、そういう形で上手にtotoを活用してほしいです。

 そして3つ目が、愛情を持って試合を見ること。あるチームの「だから負けるんだよ」というポイントがわかってくれば、負ける方を選ぶこともできるようになりますからね。

相性は特に大事

 試合の予想をするにあたっては、まず両チームのデータを分析します。これは試合中継の準備と同じですね。両チームの今季すべての公式戦の成績を表にして、そこからホームとアウェイの成績、ここ5試合の成績、その中でクリーンシート、複数得点あるいは複数失点、ノーゴールだった試合や先制した試合の数とその勝率や逆転勝ちの数、ホームチームのスタジアムにおける対戦成績などをチェックしていきます。

 特に、先制した試合での勝率や逆転勝ちの数というのはチーム力や控え選手の差というのが如実に表れます。強いけど逆転はできないチームってありますよね。あるいは、前半にピークを持ってきて先制は多いけど、クリーンシートの少ないチームというのもあります。そういったチームの傾向を踏まえてシミュレートしていきます。中継の中ではこうした情報を視聴者の方に伝えているわけです。

 ただ、そうした直近のデータが通用しない不思議なめぐり合わせとか対戦がサッカーにはあるんです。どんなに順位が離れていても、監督も選手も変わっていても、終わってみればこれまでと同じチームが勝っている。相性というのは、予想をする時には気にしなければならない大切な要素だと思っています。

 それから、もう少し大きな意味での傾向としてリーグ全体で何か特徴があるのか調べてみました。すると、プレミアリーグとリーガエスパニョーラは引き分けの数が全体の約4分の1だったのに対し、ブンデスリーガは約3分の1が引き分けでした。つまり、ブンデスリーガはより引き分けの確率が高いと考えて予想した方がいいということです。

 もう一つ、データとは違うかもしれませんが近年の傾向ということで感じているのが、監督力が問われる時代に変わってきているということ。かつてのセリエAは、残留請負人のような監督がいる一方でその他の監督はそれほど代わり映えがしないと思っていました。それが最近は若くて、野心を持っていて、選手としてのキャリアはほとんどなくとも、監督としてはとても面白い人が増えてきている。それに伴って、中継を担当する実況も解説に近いレベルで戦術が読み解けなければ淘汰される時代だと思っています。このチームはどんなシステムで試合に入って(試合中に)攻守でどう変えてくるか、チームのどの部分のプレーインテンシティで相手に負けているからどう手を打ってくるかなど、采配の部分に関して、自分なりの意見がないと務まらないと感じているところです。

選手個人の成績は見ない

 話をデータに戻すと、選手個人のデータはあまり見ません。なぜなら、調子があまり数字に反映されないからです。そのチームのここが機能していてここはちょっと弱い、ということは試合を見ていれば把握できますので、そちらの方をより重視しますね。それから、見るとすれば攻撃よりも守備の方です。このCBコンビだとこうなるとか、このボランチの場合は(最終ラインに)落ちてこないから失点するだろう、ということは考えます。守備に関しては前の試合を見ておくと参考になると思います。守備面を重視する理由は、他の競技に比べて得点が少なく1点が重い競技だからです。バスケットボールほど個人の能力が重要視される競技ではない一方で、最近のサッカーの点の取り方はバスケットボール的になってきていると感じています。

 データ以外に目に見える形で表れるものに監督交代の有無や、移籍市場での動き、そしてブンデスリーガにおいては例年より短かった今年のウィンターブレイクがどう影響しているか、再開直後の試合はより細かく内容まで見るようにします。監督交代について補足すると、予想の際には新監督がモチベーターであるかどうかを知りたいですね。短期間で結果を出せる、カンフル剤になれる監督かどうかは重要です。スペインのサッカーくじ「キニエラ」には選手が監督に忠誠心を示す「監督交代直後の試合は買い」というセオリーがありますが、ではその次の試合はどうか、気になります。

 あとは日程の面もありますね。カレンダーは詰まっているか、移動も行きだけではなくて帰りもあることを見落としがちなんです。これは国内リーグの試合には如実に影響してきます。

 さらに、違う形のデータということで言うと、チームのモチベーションになって力を与えたり、何かのきっかけになるような出来事ってありますよね。ちょっといい話、とか。エモーショナルなトピックスも見逃したくない、見逃してはいけないと思っています。ただ、(実況する際には)そこだけを強調してあまりドラマチックに仕立ててはいけないんですよね。

 それからこの時期になるとリーグテーブル上で置かれている状況も重要になってきます。後半戦に入って優勝、欧州カップ戦出場権争い、一方では降格回避といった各チームの具体的な目標設定が定まってきます。今季のブンデスリーガはと言うと、2位以下はかなり混戦です。下位では降格圏にいるチームが息を吹き返しつつあるので、予想は凄く難しい。特にホームゲームでは、下位のチームが上位を食う可能性も十分に出てくると考えます。降格するチームを見極めるのはまだ難しい。そうしたチームが絡んでくると、totoの予想は難しくなる。今回もちょうどボトム3が対象になっていて、わざと選んでいるんじゃないかと思いました(笑)。

予想は「自信あり」

 それでは、実際の予想に入りましょう。

 まずはフライブルク対ブレーメン。今回の対象カードの中で、一番難しかったのがこの試合でした。フライブルクはホームでなかなか負けないチームなんです。前回対戦も0-0でした。一方のブレーメンはアウェイに滅法弱い。そうするとフライブルクの勝ち、と言いたいところなのですが、実はフライブルクはホームでブレーメンに連敗中なんです。さてどうしようか。両チームともクリーンシートがあまり取れておらず引き分けも多いので、両チームとも失点はするとする。となると点を取り合っての引き分けか、辛うじてフライブルクの勝ちだろうと。最終的には2–2の引き分けとしました。ここ5シーズン、ホームで1度しかブレーメンに勝てていないフライブルク(の勝ち)には賭けづらいですね。

 次にハンブルク対レバークーゼン。ハンブルクが昨年末から調子を落として降格圏にいるのに対して、レバークーゼンは優勝こそ難しいですが大混戦の中で2位につけています。前回対戦では3-0でレバークーゼンが勝利していて、しかも彼らは9月末以降アウェイで負けていません。過去のハンブルクホームでの対戦成績は3勝1分1敗とハンブルクに分があるのですが、勝敗がついた試合はいずれも1点差と拮抗しているので、現在の脚色を考えるとここは0-1でレバークーゼンが勝つだろうなと予想しました。

 3試合目がケルン対ハノーファー。前半戦ケルンが不調だったのは、ELへの力の入れ具合を間違えて、もう(突破は)駄目だと思っていても一所懸命にプレーしてしまっていたからだと見ていました。そのELがやっと終わって、初勝利を挙げてからは調子は上向き。残留圏までまだ7ポイント差ですから、こういうチームは力を出してくるだろうと考えます。ハノーファーはどうかと言うと、ホームだった前回対戦で0-0と勝ち切れず、アウェイでは10月以降白星がありません。ただ両チームともクリーンシートで終われるとは思えないので、ケルンが2-1で勝つとしました。

 4試合目はボルフスブルク対バイエルン。これはもう目をつむっていても当てられるんじゃないでしょうか(笑)。それでもボルフスブルクが勝つ理由はあるか、というアプローチで予想してみましょう。ホームでの対バイエルン戦は連敗中、しかも1点も取れておらず、昨シーズンに至っては0-6で負けています。ただ、ここ5年間で1回だけですが勝っていて、前回対戦はバイエルンのホームで2-2と引き分けている。これはどうなんだろう、ともう少し詳しくスタッツを見ていくと、彼らはホームでも引き分けが多い“引き分けキング”です。理由は得点力がないから。ですから完封すれば引き分けられるだろうなと思うのですが、バイエルン相手にできるかと考えると……無理だろうなと。逆にバイエルンに死角がないかを見てみると、ハインケスの就任後しばらくは大勝ちも大負けもしない感じでしたが、ここにきて得点が取れるようになってきていますから、バイエルンで鉄板ではないでしょうか。

 最後にシャルケ対ホッフェンハイムですね。今季のファーストマッチではホッフェンハイムが2-0で勝っているんですが、ホームでの対戦に限ればシャルケはここ5試合で4勝1分と負けていません。ホッフェンハイムは今季アウェイで2勝にとどまっていて、最近の試合で勝利がありません。となると、ここはホームアドバンテージを生かしてシャルケの勝ちとしました。

 予想に関しては割と当たると思っています。毎回そう思って自信満々で「おかしいなぁ」ということがよくあるんですけどね、残念ながら。「予想上手の馬券下手」ってあるじゃないですか、私はどちらかと言うとそっちなので(苦笑)。

海外totoとは?

お馴染みのスポーツくじ「toto」がJ リーグオフ期間にイングランドとドイツの国内リーグを対象に楽しむことができる。指定の13試合の勝ち・負け・その他(引き分け、延長)を予想するだけ。一口100円から購入可能で、一等当せん金はキャリーオーバー発生時には最高5億円(キャリーオーバーなしの場合は最高1億円)! 海外サッカー通の本誌読者のみなさんには、このビッグチャンスをぜひつかんでもらいたい。

■対象試合
イングランド:プレミアリーグ、チャンピオンシップ(2部)、FAカップ
ドイツ:ブンデスリーガ
■販売期間
2017年12月2日~2018年2月17日
■購入方法
インターネット、コンビニエンスストア、くじ売り場
■予想に役立つサイト
平畠啓史が攻略指南。
海外totoチャレンジ!

totoone.jp/world-toto/

2月17日からJリーグ対象のtoto再開!
詳しくはオフィシャルサイトへ!

www.toto-dream.com/

※19歳未満の方の購入または譲り受けは法律で禁じられています。払戻金も受け取れません。


Photos: Tetsuya Sato

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倉敷保雄海外toto

Profile

久保 佑一郎

1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。

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