SPECIAL

「裏抜け」をより効果的に活用する工夫が随所に。リバプールの快進撃を支えるアルネ・スロットの10の原則:中編

2025.01.07

2019-20以来となるプレミアリーグ制覇へ向け邁進するリバプール。好調の大きな要因となっているのが、名将ユルゲン・クロップを後を継いだアルネ・スロットの存在だ。「自分が理想とするシステムはない」と明言するオランダ人指揮官の指導力の根幹を成す、攻撃に関する10の原則を3回に分けて紹介する中編。

前編はこちら

 前編では2017年の『De Voetbal trainer』誌のインタビューをもとに、アルネ・スロットが「軸」(ピッチ中央レーン)を重視し、「裏抜け」を最優先していることを紹介した(原則1:ボールがサイドにあったら、軸に返さなければいけない。原則2:優先順位は「裏」「バイタル」「ハーフスペース」。原則3:バイタルエリアに少なくとも3人が立つ)。

 ただし「裏抜け」を実行しても、相手も警戒しているため成功させるのは簡単ではない。「裏抜け」についてどんな原則を持っているのだろうか?

 スロットは言う。

 「私は選手たちに、裏抜けについて明確なガイドラインを与えている」

 今回は「裏抜け」に関する原則について紹介しよう。

原則4:裏抜けは助走をつける

 スロットは裏抜けにおいて、パスを受けるレシーバーの「助走」が重要だと考えている。……

残り:4,034文字/全文:4,550文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

アルネ・スロットリバプール

Profile

木崎 伸也

1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。

関連記事

RANKING

関連記事