いよいよスタートした、2026年W杯出場を懸けたアジア2次予選。ホームにミャンマー代表を迎えた日本代表は、5-0の快勝で好発進を決めた。招集辞退者が相次ぐ中、引いてきた相手に対してゴールを重ねた日本のパフォーマンスを中心に、ポイントとなった点について『森保JAPAN戦術レポート 大国撃破へのシナリオとベスト8の壁に挑んだ記録』の著者らいかーると氏が分析する。
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10月シリーズではブライトン感のある[4-2-3-1]を披露した日本。思い返してみれば、チーム森保の試合ごとに見せる表情は様々である。初戦でSBがインサイドハーフに変化する新作を披露したかと思えば、カタールW杯前から見せてきた伝統芸である[4-3-3]と[4-2-3-1]を交互に見せてくることもあった。
ドイツを相手にした時はがっつりとドイツ対策を見せ、次の試合ではボール保持にこだわると言ったものの、以降の試合ではプレッシングとトランジションの強度を全面に押し出すなどなど、カメレオンのようにその表情を変えてきている。主力を固定しないスタイルゆえの策ではなく、試合ごとにテーマが決まっているのではないか?とも感じるし、試合の出ている選手の相互作用で試合が成り立っているようにも見えるのが現状である。
左右で異なったハーフスペースの使い方
ミャンマー戦の日本の配置は[4-3-3]だった。ボール非保持は[4-2-3-1]の雰囲気を醸し出していたが、そもそもボール非保持の場面はトランジション局面ばかりで、大方の予想通りに日本が延々とボールを保持するスタイルで試合は展開していく。興味深い場面は日本のキックオフだ。10月シリーズと同じように、中山雄太を前に上げて放り込んでいる。中山への信頼感なのか、酒井宏樹の跡継ぎとして高さを補完するSBの役割をまっとうさせる気なのかはまだわからない。……
Profile
らいかーると
昭和生まれ平成育ちの浦和出身。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』の主宰で、そのユニークな語り口から指導者にもかかわらず『footballista』や『フットボール批評』など様々な媒体で記事を寄稿するようになった人気ブロガー。書くことは非常に勉強になるので、「他の監督やコーチも参加してくれないかな」と心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』(小学館)。