アウェイのレアル・マドリーがバルセロナを逆転で下し、勝利を収めた今シーズン最初のエル・クラシコ。主力に負傷者が相次ぐ中で予想外の布陣を採用したバルセロナの出方など勝負のポイントとなった点について、東京大学ア式蹴球部の先輩後輩であり、現在はエリース東京FCで監督とテクニカルコーチとしてともに指導に携わっている山口遼氏ときのけい(木下慶悟)氏が対談形式で分析する後半。
交代で分かれた明暗
――では、後半についてうかがっていきます。まずは全体の評価、見解を聞かせてください。
きのけい(木下慶悟)「前半との違いで言うと、単純に配置が良くなりました。まずカマビンガが入りましたが、彼とあとモドリッチを入れるタイミングでテンポを変えようというのは、確実にゲームプランとして用意していたものでしょう。カマビンガは左SBに入りましたが中央でもプレーできるので、前半にあったような中央の底のエリアから人がいなくなることがなくなりました。モドリッチが入って以降は特にそうで、彼がボールに関わりながら動き、それにより生じたスペースへカマビンガが入ってきたりチュアメニが陣取っていたりしましたし、さらに前半は消極的なプレーに終始していたバルベルデがそのスペースでしっかりとフリーになりボールを運んでいくプレーがグッと増えたことが、一番の改善点だったと分析しています。
加えて、バルサが多少ラインを下げたことも要因の1つだったと感じます」
山口遼(以下、山口)「そうだね。後半も引き続き(中盤中央のエリアに人が)いない場面もありはしたんですが、フリーの選手が増えたことに加えリュディガーが頑張ってグイっと運ぶシーンがあったように、ラインを越える余裕ができたように見えました。……
Profile
久保 佑一郎
1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。