<コーナータイトル>
『蹴球ヒストリア』書評#1
好評発売中の『蹴球ヒストリア「サッカーに魅入られた同志たち」の幸せな来歴』は、元Jリーグ中継プロデューサーで「最強のサッカーマニア」でもある土屋雅史が、「私がどうしても話を聞きたいと思った」12人の蹴球人の歴史を紐解いた一冊だ。書評企画の第一弾は、お馴染みtkqさん。土屋雅史はベテランの井戸職人? その真意やいかに。
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みなさん、こんにちは。また書評です。
footballistaはこんなに私に出版本を紹介させていいんでしょうか。時々、「これはサッカー本を装っていますが、実は地球平面説の陰謀に関する本です」という書評を試しにやってみようかという衝動に駆られることもあります。まあ、それをやった瞬間に私はfootballistaから永久追放され、逆恨みをしてトラックでfootballista編集部に突っ込む危ないおじさんと化してしまうので、やりません。でも、スクーターくらいなら突っ込んでもぎりぎり許されるんじゃないかという気がするので、若干迷いはあります。嘘です、やりません。できるだけその本を手に取ってもらえる人が多くなるように、本の魅力を引き出す文章を書くのみです。
人生の話が抜群に面白い!
インタビューもそういうものですよね。書評なら本の内容に大きくその面白さが左右されるように、インタビューが面白いかどうかは、”誰の”インタビューかに大きく依存しています。
例えば、今、大谷翔平にインタビューしたらめちゃくちゃ面白いわけですよ。ぱっと私が思いつくだけの雑な質問でもみんな聞きたいと思ってますし、「好きな焼き鳥の部位は何?」みたいなクソしょうもない質問でも聞きたい人ってたくさんいるはずなんです。砂肝に3000トラウト賭けます。あとは、海外サッカー選手だったらイブラヒモビッチとかですかね。以前に第二弾自伝『アドレナリン』の書評を書きましたが、ああいう破天荒なスターだと誰が何を聞いても面白いと思うんですよね。というか、聞いてもいないのに勝手に喋ってくれそうですし。
ただ、そんな大物だけがインタビューの対象となるわけでもありません。土屋雅史さんのインタビュー集『蹴球ヒストリア』で取り上げるサッカー人たちの中に、いわゆる”スター”はほとんどいません。一番有名なのが日本代表監督の森保さんでしょうか。日本なら三笘薫であるとか、海外だったらエムバペのような、その人を選んだだけで内容によらずにインタビューが成立してしまうような、そんなビッグネームはこの本では出てきません。……
Profile
tkq
世界ロングボール学会(WLBS)日本支部正会員。Jリーグの始まりとともに自我が芽生え、カントナキックとファウラーの薬物吸引パフォーマンスに魅了されて海外サッカーも見るように。たぶん前世でものすごく悪いことをしたので(魔女を10人くらい教会に引き渡したとか)、応援しているチームがJ2に約10年間幽閉されています。一晩パブで飲み明かした酔っ払いが明け方にレシートの裏に書いた詩のような文章を生み出そうと日々努力中です。【note】https://note.mu/tkq