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お手本は平川怜と道脇豊。ロアッソ熊本がトップからアカデミーまで進める補強と育成の両輪【織田GMインタビュー後編】

2023.03.03

J3王者としてJ2に臨んだ2022シーズン、クラブ史上最高成績の4位に入ったロアッソ熊本。J1参入プレーオフでは決定戦進出と悲願の昇格まであと一歩に迫った反面、オフには河原創(→サガン鳥栖)、杉山直宏(→ガンバ大阪)、高橋利樹(→浦和レッズ)ら中心選手がJ1クラブに引き抜かれるなど、14選手が退団する大打撃を受けている。しかし「ここまでは目論見通り」と悲壮感を漂わせないのは、かつてサンフレッチェ広島で強化部長や社長として手腕を発揮していた織田秀和ゼネラルマネージャー(GM)だ。新たに12選手を迎えた2023シーズンの編成を含め、トップチームからアカデミーまで「成長する場」を目指すクラブ戦略を強化部トップに聞いた。

Photo: ©AC KUMAMOTO

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狙うは穴埋めではない「J1クラスになり得る選手」


——少し気になったのが大西遼太郎選手は岐阜出身ですが、当時は在籍期間がかぶっていませんよね。

 「彼は(ジュビロ)磐田ユースですね」


——なるほど。法政大、FC岐阜を経由して久々の再会ということですね。

 「そうです。彼は正直、岐阜で大活躍をしたわけじゃないですけど、磐田ユース時代に大西選手を指導した大木がポテンシャルを評価していました。もちろん強みも弱みもありますよ。ただ強みであるところを評価した中で、うちの戦力になるんじゃないかと推薦してくれて、彼を獲りに行きました」


——大学時代に何度も見たことがありますが、中盤でしっかりと相手にぶつかれる現代的なボランチですよね。

 「大木の評価からすると『ボールを取るのが上手い』ということなので。後ろのほうのポジションで頑張ってもらおうと思っています」


——岡崎慎選手は昨季途中に加入した平川怜選手に重なるラインだなと感じました。

 「たまたまFC東京のユース上がりというところですね(笑)。そこはまずセンターバックの菅田が抜けることになったので、すぐに菅田並みとまでいかなくても、戦力になる選手がほしいと思っていたところに岡崎くんの情報が入ってきました。またちょうどFC東京は安間(貴義)さんがヘッドコーチにいらっしゃって、安間さんと大木は旧知ですから情報をもらってきて。また岡崎くんの仲介人とは私が広島時代から旧知ですし、そのあたりで話をして獲ってきました」

岡崎選手を前所属のFC東京で指導した安間ヘッドコーチは、ヴァンフォーレ甲府時代にコーチとして大木監督を支えていた(Photo: ©AC KUMAMOTO)


——まさにいまのお話に重なるところですが、獲得した選手の全体感を捉えると、現実的な穴埋めという形ではなく、ここからもう一度しっかり育てようというチャレンジングな姿勢が印象的です。そのあたりの全体的な評価はいかがですか。

 「そういうふうに見ていただけるとすごくありがたいんですよ。当たり前と言えば当たり前の話ですけど、抜けた選手って要はJ1クラブに獲られたわけなので、言ってしまえばJ1クラスの選手ですよね。先ほども申しましたけど、いまのウチにはそこにJ1クラスの選手を引っ張ってくることはできないわけです。だからこそJ1クラスになり得る可能性のある選手、ちょっと大げさな言い方になりますけども、そのポテンシャルを持っている選手をやっぱり獲ってきたい。現時点ではもしかすると穴埋めかもしれないし、補充に見えるかもしれないですけど、これが半年くらいして『ロアッソ、すげえ補強したな』と言われるようにするのがわれわれの仕事だと思っています。それぐらいのポテンシャルある選手たちが来てくれたんじゃないでしょうか」

「うまくて闘える」平川怜獲得と主将任命秘話


——あと新加入組はもう一人、道脇豊選手についてもお聞かせいただければと思います。高校2年生を前に正式にトップチーム昇格という形ですが、彼の育成ビジョンはどう考えていますか。
……

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J2リーグロアッソ熊本平川怜道脇豊

Profile

竹内 達也

元地方紙のゲキサカ記者。大分県豊後高田市出身。主に日本代表、Jリーグ、育成年代の大会を取材しています。関心分野はVARを中心とした競技規則と日向坂46。欧州サッカーではFulham FC推し。かつて書いていた仏教アイドルについての記事を超えられるようなインパクトのある成果を出すべく精進いたします。『2050年W杯 日本代表優勝プラン』編集。Twitter:@thetheteatea

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