アルゼンチン代表の優勝で幕を閉じたカタールW杯から約1カ月。大半の欧州主要リーグがすでに再開している中、ドイツ・ブンデスリーガは今週末に約2カ月の中断期間がようやく明ける。現地時間1月20日、金曜日の夜に行われる新年最初の試合は、3位ライプツィヒが本拠レッドブル・アレーナに首位バイエルン・ミュンヘンを迎えるいきなりの大一番だ。このビッグゲームを前に、レッドブル・グループを追い続けるシロクロッソ氏が挙げる注目選手とは。
前回対戦は乱打戦、要塞で通算2勝目なるか
昨季のブンデスリーガ王者であるバイエルンとDFBポカール王者のRBライプツィヒは今季、シーズン最初の公式戦となったDFLスーパーカップですでに一度対戦している。
今回同様に本拠地開催だったが、RBライプツィヒは0-3という絶望的な状況で前半を折り返した。それでも、後半開始時からのシステム変更で流れを取り戻したホームチームは、89分までに1点差に迫るほどの追い上げを見せる。その後に前がかりになったところを突かれ、最終的には3-5で敗れたものの、RBライプツィヒが唯一の勝利を収めてからもうすぐ5年が経過しようとしているこの対戦カードでは、これまでにも幾度となく好勝負が繰り広げられている。
今季を黒星でスタートさせたRBライプツィヒは、ドメニコ・テデスコ前監督の下でスタートダッシュに失敗し、9月の段階でマルコ・ローゼが新監督に就任した。2年連続でシーズン中の監督交代となり、現バイエルン指揮官のユリアン・ナーゲルスマン退任後のクラブの不安定さを象徴している。
ただ、ローゼ政権下のRBライプツィヒは見違えるように様変わりし、10月以降の公式戦13試合では負けがない。就任時にリーグ戦11位だったチームは3位まで順位を上げ、最低限の目標として掲げているCL出場圏内に位置している。CLでのレアル・マドリー戦含め、ローゼ体制でのRBライプツィヒはホームで負けがないどころか、すべての試合に勝っており、要塞と化しているレッドブル・アレーナでの今回の一戦でも記録の継続に期待したいところだ。
一方、スーパーカップ優勝という幸先の良い形で今季のスタートを切ったバイエルンは危なげなく勝ち点を積み重ねており、前半戦は公式戦でわずか1敗と、圧倒的な差をつけているわけではないものの、数字の面では順調にシーズンを進めている。
このような状況下にある両チームが勝ち点差6で迎える今回の対決は、今季のリーグ戦を占う対戦とも言えるが、RBライプツィヒは守護神のペーター・グラーチとチーム得点王のクリストファー・エンクンク、バイエルンは守護神のマヌエル・ノイアー、守備の要であるリュカ・エルナンデス、得点関与数(ゴール+アシスト)がチームで3番目に多いサディオ・マネらの欠場が確定しており、スーパーカップ時とは異なる陣容が試合の行方にどのような影響を及ぼすのかも見どころだ。
恩師ローゼと出会ったザルツブルク時代
とりわけエンクンクは言わずと知れたキーマンで、ここ1年半のRBライプツィヒを語る上で欠かせない存在だ。彼の不在でさらなる活躍が期待される一人の攻撃のキーマンをバイエルン戦のピックアッププレーヤーとして紹介する。
ドミニク・ソボスライ。昨年11月に22歳の若さでハンガリー代表のキャプテンに就任したばかりの長身MFは、ライプツィヒ在籍3年目にして初めて、チームの中心と言える活躍を披露している。……