
さらなる飛躍の年だったと言っていいだろう。自身初挑戦となったJ1リーグで28試合に出場し、チームの残留に大きく貢献。パリ五輪を狙うU-21日本代表にもコンスタントに招集され始めている、川﨑颯太が過ごした2022年のことだ。だが、もちろん高いレベルに身を投じれば、それには障壁や苦悩が伴うのも常。決して一筋縄ではいかぬ1年であったこともまた間違いない。今回のインタビュー後編では、終盤戦で経験したシビアな残留争いのこと、U-21日本代表で感じた自身の立ち位置のことを、本人の言葉で語ってもらった。
残留争いの中で考えていたこと
――実際に経験された、残り5試合ぐらいからのシビアな残留争いはいかがでしたか?
「その時は結構“余裕ぶっていた”と思います。『勝てば大丈夫でしょ』とか『ここは他のチームも負けてくれるから』とか、そういう話をするじゃないですか。それで結構理性は保っていたつもりでしたね。でも、試合前に怖いと感じるようなことはなかったです。最終節のジュビロ戦も清水が勝っていたら、僕らが降格していたんですよね。そんな状況に置かれていることは、そこまでわかっていなくて、もちろん自分がシュートを外した時はさすがに『ヤバいな』とは思いましたし、もちろん点を獲りにいかなくてはいけなかったですけど、試合終了の笛が鳴った瞬間、『うわ、終わったのかもな……』みたいな気持ちではなくて、『まあ、プレーオフかな』ぐらいにしか考えていなくて、僕は京都の中では気を楽にしていた方じゃないかなと。……


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Profile
土屋 雅史
1979年8月18日生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社。学生時代からヘビーな視聴者だった「Foot!」ではAD、ディレクター、プロデューサーとすべてを経験。2021年からフリーランスとして活動中。昔は現場、TV中継含めて年間1000試合ぐらい見ていたこともありました。サッカー大好き!