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「守高攻低」となったデア・クラシカーの戦術的ポイント分析【ドルトムント 2-2 バイエルン】

2022.10.10

2-2のドローという結果に終わった今シーズン最初のデア・クラシカー。勝負のポイントとなった両者の攻守のアプローチについて、とんとん氏が分析する。

 ブンデスリーガ最高峰の戦い、デア・クラシカー。圧倒的な戦力を誇る両雄の戦いは2-2のドローで幕を閉じた。

 今回は両雄ともに守備戦術が機能していた。ドルトムントは2種類の守備パターンを携えて試合に臨み、バイエルンは破壊的なプレッシングでチャンスを作ってみせた。

 一方で、ともに相手の守備を上回る攻撃を展開するのに苦しみ課題が浮き彫りとなる「守高攻低」の内容となった。

 ここからは両チームの採った守備戦術と攻撃面における課題を中心に、今回のデア・クラシカーを紐解いていく。

試合のハイライト動画

[4-5-1]守備ブロックvsバイエルン

 前半戦は静かな戦いとなった。ともに相手を守備戦術にはめこみ、思うように前進させない。シュート数は両チームともに片手で数えられる程度である。では、それぞれのビルドアップと守備戦術はどのようなものだったのか?

 バイエルンは[4-1-5]のような布陣でビルドアップを行った。アンカーにはマルセル・ザビツァーが入り、レオン・ゴレツカを含む前線5人が並列に並ぶ形だ。

 これに対してドルトムントは[4-3-1-2]のプレッシングと[4-5-1]の守備ブロックという2通りの守備システムを見せた。まず、GKマヌエル・ノイアーを含む最後方から行われるバイエルンのビルドアップに対して実施されたのが[4-3-1-2]プレッシングだ。通常システムが[4-3-3]であるドルトムントはプレッシング時、右ウイング(WG)のユリアン・ブラントがトップ下、左WGのドニエル・マーレンが2トップの一角に入る[4-3-1-2]に変化。アンカーのサビツァー+2CBに噛み合わせる形をとり、SBに誘導したところで奪い取る守備戦術だ。このシステムは流れの中では見られず基本的にゴールキックなどプレーが切れた時に変化させて利用、実際にいくつかショートカウンターのチャンスを作ってみせた。

 そして、ほとんどの局面で用いられたのが[4-5-1]の守備ブロックだ。誰か1人が抜けて敵にアプローチをかけても中盤に穴が開きにくいこのシステムは、敵CBにインサイドハーフ(IH)、敵SBにWGがアプローチをかけることでバイエルンのビルドアップを阻害し続けた。CFのユスファ・ムココがCB間のパスコースを的確に切っていた点が大きなポイントとなり、効果的に機能していた。……

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ドルトムントバイエルン

Profile

とんとん

1993年生まれ、長野県在住。愛するクラブはボルシアMG。当時の監督ルシアン・ファブレのサッカーに魅了され戦術の奥深さの虜に。以降は海外の戦術文献を読み漁り知見を広げ、Twitter( @sabaku1132 )でアウトプット。最近開設した戦術分析ブログ~鳥の眼~では、ブンデスリーガや戦術的に強い特徴を持つチームを中心にマッチレビューや組織分析を行う、戦術分析ブロガー。

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