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相模原で感じる成長と、苦しみ。藤原優大にとって今季は勝負の年に

2022.06.01

レンタル選手の現在地#6

毎シーズン、多くの若手選手がレンタル移籍で所属元クラブを離れ、将来の開花を見据えて研鑽を積んでいる。レンタル先のクラブのファンはもちろん、レンタル元クラブのファンにとっても動向が気になる未来のスター候補の現状にスポットライトを当てる。

 高卒2年目の藤原優大にとって、今シーズンは勝負の年になる。

 強豪・青森山田高校でキャプテンを務めていたCBは、高校3年時の7月に浦和レッズ入団が内定。高校生離れした身体能力を武器に活躍が期待されたが、現実は厳しかった。浦和では岩波拓也、槙野智章といった高い壁を越えられず、出場はルヴァンカップの2試合にとどまった。

 高校を卒業して間もない選手がJ1のビッククラブで出場機会を得られないことは、珍しいことではない。だが、藤原の中に「試合に出られなくても仕方がない」という考えは毛頭なかった。

一番の目標は「成長してレッズに戻ること」

 昨年6月28日、当時J2残留を目指していたSC相模原への期限付き移籍が発表された。

 相模原の練習に合流した直後の藤原は、「人として、サッカー選手として、一回り二回り大きくなって浦和レッズに帰ることが一番の目標です。試合での経験を積んで帰れなければ意味がないですし、ここでも試合に出られると保証されているわけでもない。相模原での出場機会をしっかりと確保するために自分のストロングを出して、逆に足りないものを補って競争に勝って試合に出たい」とギラギラした雰囲気を放っていた。

 3バックの一角としてさっそくスタメンの座を勝ち取ると、持ち味としている強いフィジカルで相模原の後方を支えた。結果的に、そのシーズンは17試合に出場し、1379分もの間ピッチに立った。しかし、チームは最終的にJ2残留にあと一歩及ばず、J3降格となってしまった。

 2022シーズン開幕前、藤原には他クラブからのオファーも噂され、その去就に注目が集まったが、相模原の選手としてJ3の舞台で戦うことを決めた。

 「他のチームでプレーすることも考えましたが、相模原で過ごした半年間を通じて『ここで試合や練習に100%取り組めば成長できる』と感じていました。メンバーも大きく変わり、今シーズンはどんなチームになるのか楽しみに思う気持ちもあって残留を決めました」と、決断までの背景を振り返った。

 藤原が相模原に残った理由は、もう一つあった。それは、相模原がJ3に降格してしまったことに責任を感じているからだ。自らの手でチームを昇格させたいという強い思いが、残留への決断を後押しした。

 最終的な目標は「浦和レッズに戻ること」。そのためには、自らが成長することが必須である。「ここで結果を残すことが自分の成長に繋がる」と自分のため、チームのために戦っている。

苦しむ新シーズン

 今シーズンの相模原には元日本代表DFの水本裕貴が加わった。彼の存在が藤原の成長を促している。

 開幕戦ではその水本と2CBを組んで先発出場を果たした藤原。アスルクラロ沼津をホームに迎え、1-0で相模原が勝利を収めた。水本からは「対人の部分や空中戦で素晴らしいものがありましたし、優大の持っている力を存分に発揮して守備をしっかり締めてくれた」と称えられた。

 この試合、藤原は一つの反省点を口にしていた。それは、「ミズさんをリスペクトし過ぎていた」というもの。……

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J3リーグSC相模原浦和レッズ藤原優大

Profile

舞野 隼大

1995年12月15日生まれ。愛知県名古屋市出身。大学卒業後に地元の名古屋でフリーライターとして活動。名古屋グランパスや名古屋オーシャンズを中心に取材活動をする。2021年からは神奈川県へ移り住み、サッカー専門誌『エル・ゴラッソ』で湘南ベルマーレやSC相模原を担当している。(株)ウニベルサーレ所属。

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