今シーズン、開幕から不振にあえぎ12月には監督交代に踏み切ったRBライプツィヒ。バイエルンへ去ったユリアン・ナーゲルスマンの後任として、レッドブル・グループで実績を残し満を持して招聘したジェシー・マーシュをこのタイミングで解任するという決断には驚きもあったが、新指揮官にドメニコ・テデスコを迎えたチームは見事に復活を遂げた。マーシュ政権下での不振とテデスコ政権下での復調した理由、そしてそこから見えてくるゲームモデル設定に重要な要件について、DFアンヘリーニョとテデスコの言葉から紐解く。
昨年12月にドメニコ・テデスコが監督に就任し以降復調を遂げ、CL出場権確保も視野に入ってきたRBライプツィヒ。2月6日の第21節では敵地でバイエルンと3-2の接戦を演じ、敗れたもののその力を存分に見せた。
2月5日のスポーツ放送局『Sport1』のインタビューで、「監督交代がチームに良い効果をもたらした。1、2月前よりもずっと良いサッカーをしている。ポジティブな方向に向っている」と話したアンへリーニョがその理由を明かしている。
「RBのDNA」に執着し過ぎたマーシュ
アンへリーニョは、テデスコ就任後の大きな変化について次のように話す。「プレースタイルに関して、大きな違いがある。テデスコの下で、サッカーがもっと楽しめるようになった。再び、自分たちが好むスタイルで戦えるようになったからね。アグレッシブに前へ素早く進みプレッシングを重視する姿勢は変わらないけれど、もっとボールを握ってゲームをコントロールできるようになった」と説明。そして、こう続けた。
「もう、バスケットボールのように絶えず前や後ろに行ったり来たりしなくていいんだ。試合をコントロールできる時間があった方が、明らかに自分たちに合っているからね」……
Profile
鈴木 達朗
宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。