セリエA前半戦を終えて首位と勝ち点12差の5位。それでも11月末の第15節から5勝2分と無敗を継続し、新年早々の上位対決2連戦でナポリ(1-1)、ローマ(3-4)相手に4ポイント獲得と、復調気配を見せているのがユベントスである。9連覇達成後、4位に終わった昨季を経てマッシミリアーノ・アッレグリ監督を呼び戻した元王者の現状は? 再びスクデットを争えるチームになるための課題と希望は? ユベンティーニにはお馴染みのファンサイト『月刊ユベントス』の編集長ミツ(@system442)さんが“真面目に”考察する。
アッレグリが怒っている。
この光景自体はユベンティーニにとって決して珍しいものではない。むしろ日常だ。しかし、今シーズンはその回数が多い。
元来、「喜怒哀楽」の「怒」については余すことなくピッチにぶつけるイタリア人監督だが、2年の時を経てユベントスに戻って来た今、誰が見ても苦戦を強いられていることは明らかだった。
トリノ帰還
2018-19シーズン終了後、ユベントスは監督として実に5度のセリエA優勝と4度のコッパ・イタリア優勝、さらに2度のチャンピオンズリーグ(CL)決勝進出を果たしたマッシミリアーノ・アッレグリを解任した。クラブは(もちろん)正式には発表していないが、「アッレグリではCLで優勝できない」、それが唯一の理由であることは火を見るよりも明らかだった。
それから2シーズンが過ぎ、今度はコッパ・イタリア優勝とCL出場権を獲得したアンドレア・ピルロをユベントスは解任し、アッレグリを再招へいすることを決めた。クラブは(もちろん)正式には発表していないが、「ピルロがセリエA 10連覇を逃した」、それが一つの理由であることは誰が見ても明らかだった。
「ピルロ解任」にはファンの一部から大きな反発が寄せられることになったものの、その直後に届いた「アッレグリ帰還」の報にはファンから大きな期待が寄せられた。私も「また強いユベントスを見ることができる」と両手を広げてアッレグリを迎え入れた。しかし現実はそんなに甘くはなく、2021-22シーズン前半戦終了時点でのリーグ順位は、首位インテルに勝ち点差12を離されての5位。アッレグリが監督に就任した時、「イタリアには『温め直したスープは不味い』という諺がある」と評していた現地メディアの言葉を思い出した。
ベテランと若手
今シーズン、アッレグリが苦戦を強いられることになる理由の一つに、選手の年齢層が挙げられる。……
Profile
ミツ
愛と笑いを届けるファンサイト『月刊ユベントス(通称:月ユベ)』編集長。ユベントスとデ・シリオとハイボールを愛する47歳。「負けた時こそ笑いに変える」をモットーとして、1990年代後半からビアンコネロを緩く応援し続けている(https://getsu-juve.com)。