先日、footballistaでバルセロナ・フェメニについて紹介をした。今季公式戦20戦全勝、内容的にも他を圧倒するパフォーマンスを続けペップ・バルサを彷彿とさせるとも評される彼女たちの戦術、強さの理由を、ドイツの戦術サイト『シュピールフェアラーゲルンク』のコンスタンティン・エックナー氏に分析してもらった。
昨シーズン、念願のUEFA女子CL(UWCL)の頂点にたどり着き、国内では6度のリーグ制覇を達成。今シーズンはいまだ勝ち点を1つも落としていない。FCバルセロナ・フェミニは現在の欧州女子サッカー界の頂点に君臨し、これまでの女子サッカーの基準を刷新しようとしている。成功に満ちたかつてのペップ・バルサを思い起こさせる。ペップ・グアルディオラのサッカーに対するアプローチが見て取れるのだ。
まずは、このFCバルセロナ・フェメニが現在どれほど強いのかを理解しよう。そのためには、女子サッカー界全体の動向に目を向ける必要がある。女子サッカーのレベルはこの数年の間に大きく向上し、技術面でもフィジカル面でも格段の進歩を遂げた。とはいえ、男子サッカーと比べてまだまだ足りない点も見受けられる。例えば、今季の欧州の女子サッカー界を見回しても、トップレベルといえるGKは少なく、わずか数人だ。
その中でも欧州の女子サッカー界は、エリートをそろえたいくつかのクラブが突出し始めている。バルセロナの他には、チェルシーやアーセナルのイングランド勢、そしてリヨンやパリ・サンジェルマンらフランス勢がその中に数えられる。これらのクラブは、選手の獲得に数万ユーロから数十万ユーロ(日本円で数百万から数千万円)を支払うこともあるほどだ。昨年、デンマーク代表のペルニール・ハーダーがボルフスブルクからチェルシーに移籍した際には、35万ユーロ(約4550万円)の移籍金が支払われたとも言われている。UWCLにこうしたエリートクラブが集うようになったことで、トップレベルのプレー水準は急激に上がっている。これらの少数のトップクラブが、ますます多くの突出したタレントをかき集めるようになっているからだ。
バルセロナ・フェメニを彩るタレントたち
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コンスタンティン エックナー
ドイツ人ジャーナリスト兼歴史家。世界のサッカー、とりわけブンデスリーガにおける“出来事”を追い続け、国内外の著名な紙媒体やTV番組に協力・寄稿・出演している。同時に『Spielverlagerung』で分析担当グループの一人として活動。