スティーブン・ジェラードがアンフィールドに帰ってきた。11月11日にアストンビラの新監督に就任し、3勝1敗という上々の1カ月を過ごしたリバプールのレジェンドが、12月11日のプレミアリーグ第16節で古巣と激突。試合は1-0でホームチームが意地を見せたが、敵将としてピッチサイドに立つ英雄の姿はレッズファンの目にどう映ったのか。おなじみのリバプール・サポーターズクラブ日本支部代表、田丸由美子さんが“複雑な”一戦を振り返る。
昨シーズン、スコティッシュ・プレミアシップでレンジャーズを無敗優勝(32勝6分)へと導いたスティーブン・ジェラードは、今シーズンも好調を維持していた同クラブの監督を11月11日に突然退任すると、同日、アストンビラの監督に就任した。記者会見に臨んだ41歳の新指揮官は「将来リバプールの監督になるための踏み台としてアストンビラの監督になるわけではない」と語ったが、その先に見据える目標は誰もが知っている。アストンビラのクリスティアン・パースローCEOは、かつてリバプールで2009年6月からニュー・イングランド・スポーツ・ベンチャーズ(現フェンウェイ・スポーツ・グループ)によるクラブ買収が成立する2010年10月までの間にマネージング・ディレクターを務めていた人物だ。ジェラードがいつか監督としてリバプールに戻りたいと考えていることは百も承知だろう。
悔しい顔も喜ぶ姿も見たくない
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Profile
田丸 由美子
ライター、フォトグラファー、大学講師、リバプール・サポーターズクラブ日本支部代表。年に2、3回のペースでヨーロッパを訪れ、リバプールの試合を中心に観戦するかたわら現地のファンを取材。イングランドのファンカルチャーやファンアクティビストたちの活動を紹介する記事を執筆中。ライフワークとして、ヨーロッパのフットボールスタジアムの写真を撮り続けている。スタジアムでウェディングフォトの撮影をしたことも。