この夏にも退団説が浮上したパリ・サンジェルマンの監督、マウリシオ・ポチェッティーノの去就がまた騒がしくなっている。加速する火種となったのは、11月21日にオーレ・グンナー・スールシャールがマンチェスター・ユナイテッドの監督を解任されたことだ。その後任として、サウサンプトン(13-14)やトッテナム(14-19)を率いた経験のあるアルゼンチン人指揮官の名前が挙がったのだった。
そして幹部はジダンと密会?
「我われはポチェッティーノに出て行ってほしくないし、彼の方から退団を希望したこともない。またどのクラブからもコンタクトは来ていない」
11月26日、パリ・サンジェルマン(以下PSG)のテクニカルディレクター、レオナルドは『AFP通信』に対してこう語り、監督人事の噂を否定した。前日にはラルフ・ラングニックのマンチェスター・ユナイテッド暫定監督(今シーズン末まで)就任濃厚というニュースが各メディアで報じられ、実際ポチェッティーノの後任説も下火にはなっている。
そうした一連の報道の中で、PSGが次期監督として興味を持っていると伝えられるのが、昨シーズン終了後にレアル・マドリーの監督から退いた現在フリーのジネディーヌ・ジダンだ。
ジダンは、①カタール勢のブランド嗜好にはまる人材、②スター軍団を束ねるカリスマ性がある、というPSGが求める二大条件を満たしているだけでなく、彼が監督になればレアル・マドリーに行きたがっているキリアン・ムバッペを引き止められるかもしれない、という非常に魅力的な要素がある。……
Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。