バルセロナは11月6日、先月28日に解任したロナルド・クーマンの後釜としてレジェンドOB、シャビの監督就任を発表した(契約は2024年6月30日まで)。代表ウィーク明けの11月20日に迎えたバルセロナダービー、エスパニョール戦は1-0で白星発進。チームはリーガ7位に順位を上げている(5勝5分3敗・20得点15失点)。就任会見で口にした魔法のような言葉、練習初日から披露したハンパないロンド、そして初戦からビンビンに伝わったゴールを奪うアイディア……41歳の新リーダーの下、バルサはどう変わるのか? 今晩のCLベンフィカ戦(日本時間11月24日・午前5時キックオフ)を前に、今季開幕から“メッシ後の世界”を考察してくれているバルサファンのぶんた(@s_bunta)さんに展望してもらった。
緻密さがない。パッションを感じない。試合は勝てない。「だけども問題は今日の雨。傘がない。」……これは井上陽水の名曲だが、そんなノリで入場制限が解けてもカンプノウは半分も埋まらない。
唐突に現れたメッシ後の世界に準備もできぬまま誰もが戸惑った。戦術は定まらず、さらにケガ人続出で迷走に拍車がかかり、気づけば勝者のメンタリティは雲散霧消し、クーマンはアディオス。リーガでは中位に沈んだまま浮上できないでいる。
こんな最悪のタイミングでクラブが温めていた最高の切り札を切ってしまうことになったが、背に腹はかえられぬところまで追い詰められたのだから仕方がない。本人もまたクライフの助言「もしバルサが君を探しに来たら君自身が、君だけが決めなさい」を忠実に守り、前回は断ったオファーを快諾。満を待しての帰還となった。
盛大に挙行されたシャビの契りの儀式は、試合のどこかシラけた雰囲気とは違い、1万人の実直なクレ(バルセロナサポーター)の熱量は大きかった。「おかえりなさい」の深い愛と、未来に希望が持てないことに「シャビ頼む!」と、すがる思いが混ざった悲壮な熱狂を、稀代のフットボール・マエストロはしっかり噛み締めているように見えた。
復権に向けたシャビの言葉
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ぶんた
戦後プリズン・ブレイクから、男たちの抗争に疲れ果て、トラック野郎に転身。デコトラ一番星で、日本を飛び出しバルセロナへ爆走。現地で出会ったフットボールクラブに一目惚れ。現在はフットボーラー・ヘアースタイル研究のマイスターの称号を得て、リキプッチに似合うリーゼントスタイルを思案中。座右の銘は「追うもんの方が、追われるもんより強いんじゃ!」