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バルセロナ撃破で脚光。ラジョ・バジェカーノが魅せる“貧者のポゼッション”

2021.10.28

10月27日、ミッドウィーク開催のラ・リーガ第11節でバルセロナを下し、ロナルド・クーマン政権に引導を渡す格好となったラジョ・バジェカーノ。この勝利で順位も5位に浮上、今シーズンのサプライズとなっている昇格組が展開する“持たざる者”なりの戦いぶりに迫る。

 昨日(10月27日)のラジョ・バジェカーノの勝利は、いろいろな意味で感慨深いものだった。

 ラジョがバルセロナから勝ち点を奪うのは実に2002年以来というめったにないことで、我慢に我慢を重ねてきたジョアン・ラポルタ会長はついにロナルド・クーマンを解任した。“昇格組に敗れたのだから当然”という言い方もできるが、3日前のクラシコ前に会長が「何が起きても留任」と断言していただけに驚きでもあった。とはいえ、今季だけで見れば大番狂わせというわけでもない。試合前の順位はラジョが上で、試合後にその差がさらに開いただけ、とも言える一方で、昇格組が5位になりEL出場圏内に入ったというのはやはり快挙だろう。

 フットボリスタ第87号の連載『サッカーを笑え』でも取り上げ注目していたラジョだが、クーマンに引導を渡したことでさらに注目されるだろう。彼らの強さの秘密に迫っていきたい。……

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アンドニ・イラオラパコ・ヘメスラジョ・バジェカーノ

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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