プレシーズンマッチでは1分3敗、白星を挙げられないまま新シーズンを迎えることになったユリアン・ナーゲルスマン率いる新生バイエルンだったが、シーズンに入れば5戦無敗と順調なスタートを切った。一挙手一投足に注目が集まる指揮官は、絶対王者をどのように導こうとしているのか。序盤戦でいくつか試された「実験」の成果を振り返ってみよう。
『キッカー』誌のこの寸評が、ナーゲルスマンの流儀を物語っているだろう。
「ナーゲルスマンは実験をしながら戦っている」
ナーゲルスマンが監督に就任したバイエルンは、ここまで公式戦5試合を戦った。開幕戦こそボルシアMGに1-1で引き分けたが、ドイツスーパーカップでドルトムントに1-3で競り勝って初タイトルを手にすると、第2節ケルン戦(3-2)、DFBポカール1回戦ブレーマーSV(0-12)、第3節ヘルタ・ベルリン戦(5-0)と連勝を続けている。
4勝1分。EURO組の合流が遅れてほぼぶっつけ本番だったにもかかわらず、悪くないスタートを切ったと言える。
ビルドアップの3つのパターン
重圧がかかる中でもナーゲルスマンらしいのは、冒頭で書いたように「戦術のチャレンジ」を忘れていないことだ。
例えば、最終ラインからのビルドアップに関してはすでに3つの形を試している。……
Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
関連記事
関連記事
2024.08.01