レアル・マドリー、バルセロナ、ユベントスの3クラブによる新たな動きも噂されいまだに火種がくすぶり続けてはいるものの、欧州スーパーリーグ(ESL)構想は当初発表された形で実現することはなかった。その一方で、欧州の対岸アメリカ大陸でも国を越えた統一リーグ構想が持ち上がっている。アメリカ・MLSとメキシコ・リーガMXによる合併構想だ。その狙いはいったいどこにあるのか、そして実現の可能性はいかほどなのか。かつてMLSで働いた経験を持つスポーツビジネスのスペシャリスト、中村武彦さんにその現状と、ESL騒動でも浮き彫りとなった欧州とアメリカのスポーツ文化の違いを象徴する“フランチャイズ”に対する考え方の違いについて語ってもらった。
合同リーグ実現の可能性
――2021年春に発表されたESL構想は、完全に途絶えてはいないものの当初想定していた形での実現はなくなりましたが、「国を越えた合同リーグ」に関して言いますと、MLSとメキシコのリーガMXの合併構想が持ち上がっています。まず、なぜこういった構想が持ち上がったのか教えてください。……
Profile
久保 佑一郎
1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。