ジョゼ・モウリーニョが就任したローマが好調なスタートを切った。UEFAカンファレンスリーグ予選で2連勝、セリエAでも開幕から2連勝とここまで全勝だ。イタリア在住ライターの神尾光臣氏に好調の理由と現地の反応をレポートしてもらおう。
「ローマ、ローマ、ローマ!
この街の心
たくさんの人を恋焦がす
ただ一つの大きな愛』
スタディオ・オリンピコでローマのホームゲームが開催される際、試合前に流されるクラブ応援歌の一節である。スタンドのロマニスタたちは両手でマフラーを高く掲げて、大声でこのサビを歌い上げるのだ。入場にはワクチン接種ないしは感染検査の陰性照明が必要で、客の入りも最大収容観客数の半分までに制限されている状況下ではあったが、ローマの試合に欠けていたものがやっと戻ってきた。
モウリーニョによる“あるリクエスト”
しかし8月26日のUEFAカンファレンスリーグ予選トラブゾンスポル戦で、その歌はいつもとは違ったタイミングで流されていた。これまでは選手たちが入場する前のタイミングで流されていたのだが、今回は入場行進曲として使用された。この歌をファンが高らかに歌う中で選手たちは入場し、写真撮影を行い、キックオフを迎える、という段取りになっていたのだ。……
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神尾 光臣
1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。