オランダサッカー協会が史上初の女性役員就任を発表する一方、これまで別々の組織として存在していた国内1部、2部の計34チームは、統一組織である「NLリーグ」の発足を発表した。国内リーグの競技力と商品価値を高め、物事が迅速に進むことが組織統合の目的で、ようやく欧州の他国リーグと同じ形式を取り入れることになった。
6月上旬、KNVB(オランダサッカー協会)は「9月よりマリアンヌ・ファン・レーウウェン(60歳)がプロサッカー部門のダイレクターを務める」と発表した。企業での輝かしい実績、アムステルダムの名門アマチュアクラブ「ゼーブルヒア」の会長としての活躍など、彼女の履歴書は美しい。夫はマリ人、息子の一人はプロサッカー選手としてマリ代表歴1試合、本人はKNVB史上初の女性役員である。まさに「多様性の時代」にふさわしい人物と言えるだろう。
一方、オランダ1部リーグの18クラブと2部の16クラブは、9カ月間に渡って着々と“クーデター”の準備を進めていた。オランダ人がまだEURO2020でのオランダ代表の応援に盛り上がっていた6月下旬、34クラブの代表者たちはユトレヒトのニーウェ・ハルヘンワールト・スタディオンに集まり、「NLリーグ」という名の新リーグ設立の議決を採った。その結果は賛成30、反対4――。圧倒的賛成多数で2025年からのNLリーグ発足が可決された。……
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中田 徹
メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。
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2024.04.16