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EURO2020の戦術トレンドは3バック?強豪国と中堅国が繰り広げる「可変システム」の攻防

2021.07.08

残すはイタリアイングランドによる決勝のみとなったEURO2020。4バックを採用する両国がファイナルへと勝ち上がった一方、今大会目立ったのが強豪国、中堅国を問わない3バックの導入だ。そこで本誌『戦術リストランテ』でお馴染みの西部謙司氏に、3バック増加の背景を聞いてみた。

3バック採用国が抱える2つの条件

 今回のEUROでは3バックが増加傾向だという。試しに数えてみたら、24チームのうち4バックは11、3バックが13だった。ほぼ半々だが、ヨーロッパの代表チームで半々なら増加したといっていいかもしれない。

 ちなみに4バック、3バックのどちらも使っているチームもあるが、どちらがメインかで判断した。イングランドはドイツ戦のみ、フランススイス戦のみ3バックだったので、4バックとして数えている。他にもデンマーク、ウクライナが途中から3バックになっているが、それで勝ち上がれているので3バックのほうに数えてある。ラウンド16に勝ち残ったのは4バック、3バックともに8チーム。きれいに半分。さらにベスト8も4チームずつだった。

大会中にベスタゴー(左)、クリステンセン(中央)、ケアーを並べる3バックへ戦術変更を行い、下馬評を覆すベスト4入りを果たしたデンマーク

 3バック増加の傾向はすでに前回のEUROからあり、クラブレベルでも顕著にあった。今回のEUROで突如として3バックが急増したわけではなく、すでにその流れはあったので増加自体は驚きではない。

 EUROの出場国は大きく2つに分けられる。……

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EURO2020戦術

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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