
EURO2020ラウンド16。W杯王者であり優勝候補筆頭の呼び声高いフランスが、伏兵スイスに敗れる波乱があった。しかもスイスが得意とする「守りを固めてのカウンター1発」ではなく、3-3の派手な撃ち合いからのPK戦勝利だった。大会屈指のジャイアントキリングの裏には、どんな戦術的駆け引きがあったのか――結城康平氏が分析する。
多くの識者が「優勝候補筆頭」として注目していたフランスにとっては、決勝トーナメント初戦は「通過点」でしかなかったはずだ。
レアル・マドリーのカリム・ベンゼマが復帰し、各ポジションに潤沢な選手層を誇る。チェルシーの中盤で驚異的な守備力を発揮するエンゴロ・カンテを擁するフランスは、攻守両面において「最高のチーム」だと考えられていた。チーム内での不和なども報道されているが、それでも不屈の闘志で勝利をつかんだスイスへの称賛は鳴りやむことがないだろう。
スイスはグラニト・ジャカを中心に諦めないチームとして「一心同体」となっており、同時に戦術面でも様々な工夫を凝らしていた。今回はフランスにとって、EURO2020という大会を悪夢に変えたスイスのアプローチを考察してみたい。

ニアを意識した「片寄せ3バック」
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Profile
結城 康平
1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。
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