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マインツを奇跡の残留に導いた新たな名将候補スベンソン。パワーフットボールの信奉者がこだわる“ゲーゲンプレッシング殺し”

2021.06.20

2020-21シーズンのブンデスリーガで、監督交代後に驚異的な勢いで勝ち点を積み重ね残留を遂げたマインツ。俄かに注目を集めることとなったのが、チームを見事な上昇気流に乗せたボー・スベンソン監督だ。CLを制したトーマス・トゥヘルやユルゲン・クロップ、来季からバイエルンの監督に就任するユリアン・ナーゲルスマンを生み出しているブンデスリーガから、新たな名将が誕生するのか。その手腕に迫る。

 ヨーロッパの5大リーグにおいて、これほどの追い上げを見せたチームは過去に存在しなかった。

 2020-21シーズン、マインツは第14節時点で勝ち点6しか取れず17位に低迷し、残留はほぼ不可能かと思われていた。だが、かつてマインツでプレーした元デンマーク代表DFのボー・スベンソンが監督に就任すると、潮目が変わる。

 最初の3試合こそ1分2敗とつまずいたが、第18節にRBライプツィヒに3-2で逆転勝利すると自身をつかみ、ボルシアMGやバイエルンにも勝利し、後半戦は9勝5分3敗。順位を12位まで上げ、奇跡の残留を果たした。

 16チーム以上が参加したヨーロッパ5大リーグにおいて、“後半戦追い上げ”の記録を持っていたのは2016-17シーズンのクロトーネ(セリエA)。彼らの前半戦終了時の勝ち点は9で、そこから残留した。……

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ボー・スベンソンマインツ戦術

Profile

木崎 伸也

1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。

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