【EURO2020カウントダウン企画】強豪国の戦力分析#1スペイン代表
6月11日に開幕するEURO2020。そのカウントダウン企画として、各国に精通するジャーナリストが強豪国の戦力分析&最新情報をお届けする。第1回は、悩める“無敵艦隊”スペイン代表。“ラ・ロハ”を愛する木村浩嗣氏はチームの現状をどう見ているのだろうか?
黄金時代は今は昔…
今回のスペイン代表には期待よりも不安の方が大きい。
まずは若さ。
平均年齢26歳は強豪国ではイングランドに次いで低い。招集24人中、3年前のロシアW杯から生き残ったのは6人(デ・ヘア、ジョルディ・アルバ、アスピリクエタ、コケ、チアゴ、ブスケッツ)で、EUROやW杯の経験者は彼らにモラタを加えた7人だけだ。EURO2008、2010年W杯、EURO2012、3連覇の黄金時代はもうはるかに昔の話。メンバー的にも世代交代期に入ったわけだ。
加えて、彼ら同士でのプレー経験も不足している。
たとえ若くとも、代表で何度かプレー済みということであれば不安は小さいのだが、ルイス・エンリケ監督はぶっつけ本番が好きらしい。ケパ、ヘスス・ナバス、カナーレスといった、好んで呼んで重用した選手を切り捨て、ロベルト・サンチェスとかアスピリクエタとかサラビアをサプライズ招集した。本番に連れて行きたいのなら、なぜ事前に使ってみて試さなかったのだろう?……
Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。