近年の急激な戦術の進化を語る上で欠かせないのが、現場以外でその分析力を磨き、サッカー界へと活躍の場を移すことになった分析家たちの存在だ。今回はそんな一人、 マルティン・ラッフェルトの足跡と、彼が考案し実際にプロの下部組織で実践に移した「ポゼッション・カウンター非対称システム」を紹介しよう。
2011年にドイツで生まれた戦術分析サイト『Spielverlagerung』(シュピールフェアラーゲルンク)は、これまでたくさんの人材をサッカー界に送り込んできた。
最も有名なのは、ボルシアMGでコーチを務めるレネ・マリッチだろう。『Spielverlagerung』の戦術ブロガーに過ぎなかったが、ドイツ人監督のマルコ・ローゼに見出され、2016年にレッドブル・ザルツブルクU-18のコーチに。ローゼとともに階段を上がり、来季は一緒にドルトムントへ行く。
他にも同サイトで執筆していたフィリップ・ペルカが2018年にホルシュタイン・キール(ドイツ2部)の分析官になり、エドゥアルド・シュミットが2019年にザンクトガレン(スイス1部)の分析官になった。ドイツ語圏では、戦術ブロガーが監督の“参謀”になるムーブメントが生まれている。……
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木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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2024.08.01