複数の国にまたがって開催されるEURO2020。その開催地がついに決定され、スペインは当初、予定されていたビルバオではなく、セビージャで実施されることになった。両都市の感染度合いに大きな差はない。バスク州とアンダルシア州の気質の差が決定に影響したようだ。
4月23日、EURO2020の開催スタジアムが最終決定した。
今大会は複数の国で分散開催されることになっており、当初はアムステルダム(オランダ)、バクー(アゼルバイジャン)、ブカレスト(ルーマニア)、ブダペスト(ハンガリー)、コペンハーゲン(デンマーク)、グラスゴー(イギリス)、ロンドン(イギリス)、ミュンヘン(ドイツ)、ローマ(イタリア)、サンクトペテルブルク(ロシア)、ビルバオ(スペイン)、ダブリン(アイルランド)が選ばれていた。
最終的にビルバオとダブリンは選から漏れ、前者はセビージャに差し替えられ、後者で行われる予定だった試合はサンクトペテルブルクとロンドンに振り替えられることになった。
厳格なバスクと緩いアンダルシア
変更の理由は、UEFAが要求する有観客開催の条件(スタジアムの収容人数の最低25%の動員)を満たせなかったためだ。
UEFAによると、ブダペストは100%、バクー、サンクトペテルブルクは50%、アムステルダム、ブカレスト、コペンハーゲン、グラスゴーは25~33%、セビージャは30%、ロンドン、ローマは25%、ミュンヘンは1万4500人の観客動員を保証したという(ミュンヘンは25%に達していないが、総数の多さを評価されたのだろう)。……
Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。