浦和レッズが好調だ。第6節で川崎フロンターレに0-5で大敗を喫した後、代表ウィークとルヴァンカップを挟み、迎えた第7節は鹿島アントラーズに2-1で勝利。内容的には完勝に近かった。その後も清水エスパルスに2-0、徳島ヴォルティスに1-0と、浦和は川崎戦で底を打ったかのように、3連勝で勝ち点を伸ばしている。
好調の理由は何か?
まず、言っておきたいのは対戦相手だ。鹿島アントラーズと清水エスパルスは、この序盤は調子が上がらず、苦戦が続いている。状態が良くない相手に対し、2連勝を飾ったという事実はある。そして、3連勝目の徳島ヴォルティス戦は、好調のチームに1-0で勝利したが、内容的には相手が上回っていた。セットプレーの工夫と、GK西川周作のスーパーセーブで勝ち点3を拾ったが、辛勝と言っていい。
振り返れば、今季の浦和に期待を抱かせた第1節FC東京戦も、やはり相手のコンディションが悪く、それが内容を良く見せた面はあった。逆に今季上位に進出している好調のサガン鳥栖、横浜F・マリノス、川崎フロンターレには2節、4節、6節で完成度の差を見せつけられ、敗れた。実は不調に見える波も、好調に見える波も、対戦順次第ではある。サッカーは対戦型のスポーツだから。
ただ、そうは言っても、鹿島戦からの試合内容を見れば、「それだけではない」という感想も同時に抱くだろう。対戦相手の事情に留まらず、浦和自身もまた、戦術的に多くの箇所をチューニングし、試合の支配力が明らかに増している。
理由①西大伍の戦列復帰
浦和は何を変え、試合の支配力が高まったのか。ポイントを5つ挙げたい。……
Profile
清水 英斗
サッカーライター。1979年生まれ、岐阜県下呂市出身。プレイヤー目線でサッカーを分析する独自の観点が魅力。著書に『サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術』『日本サッカーを強くする観戦力 決定力は誤解されている』『サッカー守備DF&GK練習メニュー 100』など。