ドイツサッカー連盟(DFB)による育成改革の動きが本格化する一方で、変わらないものもある。数多のタレントを世に送り出してきたドイツのグラスルーツでは、いったいどのような環境で育成が行われているのか。指導者として20年以上にわたり現地で育成に携わってきた中野吉之伴氏に、その実情を解説してもらう。
※『フットボリスタ第82号』より掲載。
ドイツのグラスルーツは無理をしない。
それですべてを説明できるわけではないが、今も昔もこれからも、そこが一番大事なところだと思われる。
大前提としてドイツの町・村クラブの指導者の大多数はボランティアで指導者やスタッフとして関わっているので、みんな他に仕事がある。自分たちの生活を送るだけで手いっぱいでも不思議ではない中、夕方の練習と週末の試合に時間を作っているわけだ。
会費は1人5000円前後
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Profile
中野 吉之伴
1977年生まれ。滞独19年。09年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)後、SCフライブルクU-15チームで研修を受ける。現在は元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-13監督を務める。15年より帰国時に全国各地でサッカー講習会を開催し、グラスルーツに寄り添った活動を行っている。 17年10月よりWEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)の配信をスタート。
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2024.08.19