昨年末にナントの監督に就任したレイモン・ドメネク。南アフリカW杯でフランス代表を“地に落とした”張本人の登板にはサポーターやクラブOBから批判の声もあったが、案の定、チームを立て直すことはできなかった。降格圏に沈んだナントは今後、どのような道を進むのだろうか。
在籍46日間で解雇。その間、8試合で指揮を執り、0勝4分4敗。
これが2021年12月末、10年半ぶりにナントで指揮官に復帰したレイモン・ドメネク元フランス代表監督の顛末だ。
黒歴史の中心人物
2010年のW杯南アフリカ大会、選手が練習ボイコットを起こすなどチームが崩壊し、フランス代表は0勝で敗退した。ドメネク氏はそのフランスサッカーの黒歴史の中心人物だ。
大会後に代表監督を解任されて以来、現場からは退いていた。というか、声をかける人は誰もいなかった。「国民の敵」だったし、それは選手たちにとっても同じだった。
なので現在はサッカー番組でコメンテーターをしたり、アマチュアクラブのアドバイザー的なことをしたり、監督組合の会長としてフランスサッカー協会内にオフィスをかまえて執務を行ったりしているのだが、12月末、クリスチャン・グルキュフ監督の後任に任命された時には、国中が驚きだった。……
Profile
小川 由紀子
ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。
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