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ジョバンニ・レイナのハイプトレインが出発

2021.03.18

BVBのシャツで輝くUSAのタレントがまた1人。2019 年7月にニューヨーク・シティから加入した2002年11月13日生まれの18歳、ジョバンニ・レイナだ。アンダー世代から注目を浴び続けてきた側面にも言及したイタリアのWEBマガジン『ウルティモ・ウオモ』のプレー分析記事(2020年10月20日公開)を特別公開する。

※『フットボリスタ第82号』より掲載。

 “wunderkind”(ブンダーキント=ワンダーキッド)というレッテルが貼られた若いサッカー選手と、シーズン序盤の大ブレイクという組み合わせは、我われが自らに課しているすべての制約を取り払うに十分だ。我われはすっかり彼に魅惑されてしまう。その魅惑がほんの一瞬で「大間違い」へと転じてしまう危険がたっぷりあるにもかかわらずだ。才能あふれる未成年の華々しいデビューは、コカコーラの1.5リットル入りペットボトルにメントスを落とし込んだ時のように、誰もが面白がって興味本位で眺めてしまうタイプの出来事である。ジョバンニ・レイナを今、USA(USAなのか? ヨーロッパではなく? いや“世界”だろう!)が待ち焦がれた「次代のビッグスター」として大きく取り上げるのは、私自身にとっても小さくないリスクだ。一時の興奮に躍らされただけで、何週間か、あるいは何カ月か過ぎてブームが萎んだ時には、自分をコントロールできなかった居心地の悪さだけが残るという可能性だって、決して小さくはないのだから。実を言えば、2年前にティモシー・ウェア(現リール)に熱狂した時がそうだった。これからも似たようなことは起こるに違いない。しかし“ジオ”・レイナは本当にダイヤモンド、しかも原石どころかその美しさすべてをすぐにでも輝かせる準備ができたそれのように見える。ゴールやアシストという数字だけでなく、ピッチ上での振る舞い、そして戦術的文脈においての話だ。状況をどのように解釈し、そこでどのようなプレーを選ぶか。

ヌーベルバーグ

Nouvelle vague……

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ウルティモ・ウオモジョバンニ・レイナドルトムント育成

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ウルティモ ウオモ

ダニエレ・マヌシアとティモシー・スモールの2人が共同で創設したイタリア発のまったく新しいWEBマガジン。長文の分析・考察が中心で、テクニカルで専門的な世界と文学的にスポーツを語る世界を一つに統合することを目指す。従来のジャーナリズムにはなかった専門性の高い記事で新たなファン層を開拓し、イタリア国内で高い評価を得ている。媒体名のウルティモ・ウオモは「最後の1人=オフサイドラインの基準となるDF」を意味する。

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