シーズン終盤に入っているブラジル全国選手権。下位では1部残留を目指す熾烈な戦いが繰り広げられているが、その中で健闘を見せているのがゴイアスECだ。元Jリーガーの指揮官が就任して以降、チームは上昇気流に乗りつつある。
20チームが参加し、2回戦総当たり全38節で争われるブラジル全国選手権。残り6節となり、優勝争いはもちろん、1部残留を賭けた戦いも注目されている。
下位4チーム、つまり17位以下が2部に自動降格する中、現在18位に位置しながら、この終盤にきてサポーターを大いに盛り上げているのが、ブラジル中部ゴイアス州ゴイアニア市を本拠地とするゴイアスECだ。
躍進を支える元Jリーガー
その熱狂を牽引しているのが、アウグスト・セーザル監督。選手名アウグストとして、2001年から2005年の5年間、鹿島アントラーズと川崎フロンターレでプレーした元Jリーガーだ。
ゴイアスは1部復帰を果たした2019シーズン、その全国選手権を10位で終えてコパ・スダメリカーナへの出場権を獲得するなど、躍進の1年を過ごした。
しかし、2020シーズンは3人の監督が次々に指揮を執り、コパ・スダメリカーナは1回戦敗退。コパ・ド・ブラジルも3回戦で敗れた。そして全国選手権で2勝6分11敗となった時点で、4人目の監督としてアウグストに白羽の矢が立ったのだ。……
Profile
藤原 清美
2001年、リオデジャネイロに拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特にサッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のTV・執筆等で成果を発表している。W杯6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTube『Planeta Kiyomi』も運営中。