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ヨーロッパを牽引するバイエルン。ハンジ・フリックが導く「ストーミングのためのポゼッション利用」

2020.12.11

新時代を切り拓く戦術家

昨季の3冠、特にCLの舞台でチームが披露した圧巻のパフォーマンスにより一躍その名を知らしめたハンジ・フリック監督。強烈なプレッシングとボール保持を高次元で融合したチームの戦術を紐解く。

Hans Dieter“Hansi” FLICK
ハンス・ディーター“ハンジ”フリック

生年月日:1965.2.24(55歳)
国 籍:ドイツ
監督デビュー:1996年7月(ビクトリア・バンメンタール)
現クラブ就任:2019年11月(2季目)

Keywords

監督歴<アシスタント歴
下部リーグの監督を務めた後、アシスタントコーチとしてドイツ代表、バイエルンで働く。昨季11月、ニコ・コバチ監督の解任で昇格。

驚異の勝率90%
トップリーグでの指揮は初めてながらブンデスリーガ、DFBポカール、CLの3冠を達成。勝率90%という驚異的な記録も出した。

特徴的な中央回避の攻め
両翼を使った展開からのクロスボールが主な攻撃ルート。後方でパスを回し、ボールを確保してロングパスを繰り出す。

適材適所の選手起用
アラバのCB起用、ミュラーの再生、キミッヒのアンカー起用など、選手の特徴と戦術をアジャストするのがうまい。

冷静沈着
アシスタントのキャリアが長かったせいか、謙虚で冷静な態度は現代的な監督として好感度が高い。……

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バイエルン戦術

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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