「戦術的ピリオダイゼーションは、サッカーのプレーに関わるすべての要素を統合しているメソッドだね」
アンドレ・ビラス・ボアス監督は画面越しに微笑み、身振り手振りを交えながら丁寧に解説を始めてくれた。
戦術的ピリオダイゼーションとは、ポルト大学のビトール・フラーデ教授が1980年代から提唱しているトレーニング理論。それからおよそ20年の時を経た2000年代、ジョゼ・モウリーニョがポルト、チェルシー、インテルといった強豪クラブで実践に移し、数々のタイトルを獲得したことで注目を集め、欧州中で知られるようになった。
瞬く間に名将としての地位を確立していったポルトガル人指揮官の下、当時働いていたのが同胞のビラス・ボアス監督で、チェルシー時代の2005年、彼は日本でプレシーズンを過ごしていた宿敵マンチェスター・ユナイテッドの試合を視察するために初来日。東京や大阪での滞在を楽しみ、たこ焼きにも舌鼓を打ったそうだ。
以来、極東の文化に好印象を抱いているというビラス・ボアス監督は10月29日、日本のメディア関係者向けに『オンラインメディアラウンドテーブル』と題した情報交換会を開催。2010年に独り立ちすると、30代でポルト、チェルシー、トッテナムの監督を歴任し、現在はマルセイユを率いる世界有数の指導者に、戦術的ピリオダイゼーションを採用する背景を聞いてみた。
戦術的ピリオダイゼーションは「選手を幸せにする」
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足立 真俊
1996年生まれ。米ウィスコンシン大学でコミュニケーション学を専攻。卒業後は外資系OTAで働く傍ら、『フットボリスタ』を中心としたサッカーメディアで執筆・翻訳・編集経験を積む。2019年5月より同誌編集部の一員に。プロフィール写真は本人。Twitter:@fantaglandista
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2024.08.01