
文 ジェイ
フットボリスタをご覧のみなさま、はじめまして。「ジェイ」(@RMJ_muga)と申します。2018 FIFAワールドカップ ロシア大会が開幕してはや10日。みなさん、眠れぬ夜をお過ごしではないでしょうか。私も寝不足です。
ワールドカップのグループステージと言えば「両チーム慎重になって意外と盛り上がらない」というのが相場ですが、今回は開催国ロシアの開幕大量得点やスペイン対ポルトガルの壮絶な打ち合いなど、見ごたえのあるゲームが多数展開されています。
中でも、特にネット界隈を賑わせたのが、17日(日)に行なわれたドイツ対メキシコの試合。前回王者ドイツが初戦で敗れるという番狂わせもさることながら、メキシコが展開したドイツ対策に大きな注目が集まりました。
当然、その模様はフットボリスタが運営するサロン「フットボリスタ・ラボ」でも大きな話題に。試合後の、この五百蔵容さんのツイートを見た浅野賀一編集長が、
昨夜のドイツメキシコ戦、試合そのものも史上特筆すべきレベルで素晴らしかったのですが、ツイッタ戦術士たちの集合知共同作戦もすごく面白かったです
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 18, 2018
開始10分で誰ともなく「メメヒコが妙な事をやってるぞ」という注目が発生「これ何?」という課題が発生、戦略面、戦術面、作戦面、プレイヤー個々の動向追跡、事前情報面等各自得意分野で観測結果が投下されていき、前半のうちに「だいたいこういうことであろう」とまとまっていった様子は見ものでした
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 18, 2018
このドイツメキシコ戦は今後語り草になるだろうけど、昨夜のツイッタ戦術士たちのツイを集めて各領域ごとに関連させつつ編集するだけでも、この名作についての詳細で総合的な分析レポートが完成するんじゃないだろうか。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 18, 2018
「ツイッター上の戦術分析過程をレポートしてみよう」という提案をしたことで、僭越(せんえつ)ながら私が記事を担当させていただくことになりました。
それでは、熱狂の18日深夜、市井(しせい)の分析家たちが試合を紐解いていく過程を振り返ってみましょう。
【キックオフ 日本時間6月18日 00:00】

この試合のドイツのスターティングメンバ―はGKノイアー、DFラインは右からキミッヒ、イェロメ・ボアテンク、フンメルス、ブラッテンハルト。守備的な中盤にケディラとクロース、2列目にミュラー、エジル、ドラクスラーを並べて、1トップにベルナーという豪華布陣。基本形は[4-2-3-1]となりますが、ここからボールと敵味方の位置に応じて変化する王者のポジショナルプレー。

対するメキシコはGKオチョア、DFアジャラ、サルセド、ラジュン、モレノ、MFエレーラ、グアルダード、ガジャルド。FWベラ、エルナンデス、ロサーノというラインナップ 。出場選手の登録ポジションを見ると[4-3-3]に見えますが、率いるは予選でも複数のシステムを使い分けてきたオソリオ監督。メキシコがどういう形で迎え撃つかが注目されます。
メキシコの守備は変だな
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
メキシコの非ボール保持は、意図がまだわからん。
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
試合開始直後から鋭いカウンターを見舞うメキシコ。そして早くも、戦術クラスタたちが、「メキシコが何か特殊な守備陣形を敷いているのではないか?」と考察を始めます。
メキシコの守備わからんな。二列目のセントラルはマンツーで、三列目はゾーン?
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
メキシコの守備、これは何なんだろう。5バックなのかな。ちょっとよくわからん。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
メキシコの守備はドイツの可変に合わせている疑惑があるな
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
メキシコは基本442(4411)で守っていると思うが、キミッヒが実質WBみたいな形でプレーしているのでこれにより起こる状況への対応がカオスに陥っているのか、それとも計画されているのか
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
あまりにも無防備にメキシコのカウンターにさらされている、ように見えるドイツ。幾度となくドイツの右サイドが破られる様に、twitter上でもメキシコの狙いについての分析が続きます。
メキシコはドイツのボールの位置によって可変守備採用してるな。通常451、クロースをマンツーで捕まえに行く4411、自陣ゴール前ではSH落として532かな
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
フンメルス、クロースにマンツー?
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
ボアテングサイドから攻めさせて、キミッヒの裏を狙ってんのかなこれは。
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
クロースは、マンツーマンに近い形で意識的に抑えているのが解るメキシコ。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
右→左のサイドチェンジも多いしなーメキシコ。意図的にドイツの右サイドを狙おうという
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
徐々に解き明かされていく、メキシコの狙い。
そして幾度となく繰り出さされるカウンター攻撃がついに成就。
メキシコの先制点により、メキシコの仕込んだ「罠」「戦略」の存在について一気に解析が進みました。
ドイツのバイタルエリアがしばしば浸透を許しているのはなぜだ
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
そしてそこからメキシコ先制。なぜだ。これは計画されているぞ。何回も再現されてる。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
クロース番のベラがクロースを外に追い出し、ケディラが上がっていくのでフィルターが不在。そうなるとチチャリートが下がってくるスペースに人がいない。チチャリートは簡単に叩いて抜けるイメージを持っているので、捉えようとしたCBが逆を取られる。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
フンメルスとクロースをマンツーで抑えてボアテングにボールを持たせる。持ち上がらせる。その上で素早いトランジションからのカウンターを仕掛ければ、キミッヒの裏を突くこともできる、ボアテングの居なくなったスペースを突ける、フンメルスになら走り勝てる…そういうメキシコの思惑
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
ドイツにビルドアップは許していいから、フンメルスとクロースにはつく。ボアテングサイドから攻めさせて、キミッヒ上げさせて、その裏を突く。そしてたまにそれを罠にしたりしなかったり。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
メキシコが、マンツーDFによって生じるスペース明け渡しを意図的に逆用している可能性に気がついた。ドイツもアヤックスリスペクトのビエルサ4〜3変換を修正したペケルマン4〜3変換みたいなやり方に見えるのだけど、たしかにこのやり方にそれは効くかも。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
空くところが分かっているようにメキシコがプレーしているが、たぶん分かっているな
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
抑えられると外に流れていくクロースなのだけど、ドイツだと真ん中を埋めてるカゼミーロ役はいない。ケディラもチーム戦術の都合上、前に出て行く。なので、そこがカウンターの基準点。高い位置を取るキミッヒの裏もある。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
流石、W杯の好ゲーム製造工場メキシコ。ボール保持と見せかけて、ドイツの骨格を殴る高速カウンター。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
凄い。かつてここまでレーヴのドイツを戦術的に叩き潰したチームは無かった。度々メキシコは欧州にはないアイディアをこうして披露してみせてくれるけど、このアイディアはどこから湧いてくるんだ
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
下記のツイートによる分析まとめは試合終了から半日後のものですが、これだけのことがリアルタイムで行われていたということに驚愕です。
昨日のメキシコの狙い、簡単に図示してみた。
— せこ (@seko_gunners) June 18, 2018
1枚目:ドイツボール保持時
2枚目:メキシコポジトラ時
こんなイメージかな? pic.twitter.com/8wV2Aww1eE
【前半終了 日本時間 6月18日 00:47】
ハーフタイムで一息となりますが、興奮冷めやらぬタイムライン。分析が再整理されたり、個々の選手へのフォーカスも。また、ここまでの分析がデータによっても裏付けられていきます。
単にフォーメーションの変化を追うだけでは実態を掴めない試合になってる。まさかW杯でこんな試合が観れるとは。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
この試合のオプタデータを見ると、前半終了時にフンメルスのタッチ数が32でパス成功率94.7%であり、ボアテングが52タッチで86.4%というもの。サイドバックはキミッヒが54タッチでプラッテンハートは19タッチ。これは守備側の誘導がかなり左右していると思います。 https://t.co/FkYdc9BcxO
— Tetsuro Kutsuwada (@tetsu11k) June 17, 2018
ほんとだ。ボアテングとケディラはガン無視だw pic.twitter.com/PztkltDdHP
— とりさわ (@torifoot8) June 17, 2018
CBがボールを運ぶことが当たり前になっていて、その習慣を逆手にとるかのような感じだったな。運ばせて、邪魔な場所からいなくさせればいいやん!!という。
— Shizuoka Brain (@gorilla_soccer) June 17, 2018
あと、ベラがクロースマンツーのようで、しっかりボールサイドに流れているように見えた。それでカウンターの2つ目の起点になるような。
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
メキシコの守備面白いね。ボール持たないでアタックしてる。この大会、マンツーいけるね。ボール持たずに攻撃してるように見える。ドイツの2ndラインを、センターレーンのピヴォ当てに繋がってライン間侵入か、運ぶドリブルでブレイクできるし、3rdの崩しもペナ幅3枚はきて、個でシュートまでいける。
— 渡邉大 (@dai_football) June 17, 2018
ドイツは二列目のカウンタープレッシングを機能させないと、クロースとケディラのチェーンを自ら切る形、クロースの移動経路のはらむ問題を突いてきているメキシコのカウンターを消せないんだけど、それができない。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
なぜできないかというと、ミドルゾーンからバイタルエリアでほぼマンツーで付かれていてそれを剥がす為に動き、ポジショニングしてメキシコ陣でスペースを得ているが自分たちもバランスを崩してスペースとパスラインをメキシコに明け渡している。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
メキシコはその場合のパスレシーバー、カウンター経路を準備しているので、これはまるごと計画されているものだとおもう。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
チチャリートは単純なポストプレー能力に優れている訳ではないのだけど、ボールを叩いた瞬間に身体をゴールに向ける技術だけなら世界一だと思う。これが滅茶苦茶速いので、ポストが成功すればリターンを高確率で「抜け出した状態で」受けられる。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
これどうすんだ?とりあえずメキシコがマンツーカオスの中でボール取りに来るポイントを特定して、そのレーンでカウンタープレッシングかけられるようにするか、せめて金床役の選手を置いて塞がないと。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
これは凄まじく面白いな。ドイツのやり方がマンツー耐性薄いってどうやって見抜いたんだ。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
メキシコはカウンター狙いなので、高い位置からのハイプレスはたまにだけ。ドイツの右サイドに誘導してハーフからプレス。SBCB裏への斜め裏抜けなどには中盤がついていく。奪ったら、片方が裏抜け狙いでDFライン下げさせて、片方が降りる動きでスペースで受けてるのかな。見返す時は戦術カメラ見たい。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
攻めに人数を使おうとし過ぎたことがメキシコの罠にはめられた1つの課題だったので、まずはその辺りの修正かなと思います。ケディラの位置は下げておくべきかも。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
相手がマンツーで来た時に有効な動きはポジションチェンジ。だからクロースは左大外レーンに逃げたり、そこから右の大外レーンに大移動してメキシコのマンツーを剥がそうとしてる。でも、それはボールが奪われた瞬間に悪手となる。「攻撃をしながら守備を考える」ポジショニングからは逸脱しているから
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
ドイツがボールを失った瞬間、メキシコのカウンターに備えるために本来居なければならない場所にクロースが居ない。クロースの代わりにビルドアップをやらなければならないケディラも、ボアテングも本来の位置に居ない。だからメキシコのカウンターが面白いようにドイツに刺さる
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
【後半戦キックオフ。日本時間 6月18日 01:05 】
レーヴは骨格叩かれても我慢する器の大きさがあるので、しばらくやり方を徹するつもりみたい。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
前半はメキシコの策にまんまと嵌められたドイツ。後半からどのように変えてくるのか注目されましたが、以外にも見た目に変化はなし。
こういう試合を見て、是非フットボールの戦術が面白いということを感じて貰えたら嬉しいなと思います。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
この試合は、サッカーに詳しくない人でも十分に楽しめるスペクタクルがあったと思います。しかしやはり、サッカーについて、競技についてもっと知ることができれば、より深く楽しむことができる。大丈夫、戦術は怖くないよ…!
やり方は違うだろうけど、こういう展開にハリルは持ち込もうと死ぬほど分析していたんだろうなというのがよくわかる。その結果は観れないし、観れるのはごもっともサッカーだしで、日本に関してはネガティブにならざるをえない。
— Shizuoka Brain (@gorilla_soccer) June 17, 2018
他国の素晴らしい試合を観るたびに、心の隅に悲しい思いが去来するのはなぜなのか……?
やり方変えずにボール保持し続けて、マンツーさせ続けて疲弊させる、それをいやがってセットしてきたらそれこそ自分たちのボール保持で刺せる。だから待つ。それがレーヴの肚の中かちら。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
メキシコの監督はハリルホジッチみたいな絶対骨格叩くマンですね。でも、ハリルホジッチも、レーヴの時間を味方につけるという決断の前に敗れた
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
どうやらドイツは、リスクを承知でやり方を変えずに、相手が疲弊するのを待つようです。王者のプライドなどというものではなく、それで耐え切って逆転できるという計算でしょうか。
高い位置に上がったキミッヒの裏をつけば、ボアテングがサイドにつり出されるから、中央のCBはフンメルスだけ。代わりに中盤も下がって来てスペース埋めたいけど、高い位置で攻めてたから、キミッヒも含めて、メキシコの高速カウンターに間に合わない、みたいな。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
メキシコの左サイドの自陣ハーフスペース辺りに誘導するように守ってそこにきたら奪って、リンク作ってあった縦に入れて、ゴールまで一気にっての、再現性あるな。あと、ドイツの右HSから縦のチャンネル、ポケットにはいれさないぞって人を置いてやってるように見える。
— 渡邉大 (@dai_football) June 17, 2018
【後半15分ドイツ、マルコ・ロイスを投入。日本時間 6月18日 01:17 】
ここまで(ボールを保持しながらも)耐えていたドイツがついに動きます。
守備的なMFケディラに代えてロイスを投入。エジルをケディラがいたポジションに下げます。
クロースがマンツーで付かれてケディラが捌かなきゃならない。だったら捌ける選手をケディラの代わりに置いてしまおう作戦。だからロイスを前に入れてエジルをDHに下げた
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
4-1-4-1のクロース底?エジルが下がり目に移動したようにも見えるが、圧力を強めること、クロース以外からもボールを縦に当てられるようにしたこと、で違いを作ろうと。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
最初から、もしくはもっと早くエジルをボランチ起用していればよかったのでは?という疑問も出るかもしれませんが、やはりメキシコの攻守の強度、特にカウンターの威力が落ちるのを待っていたのでしょう。
ちなみに左SBのプラッテンハルトにラジュンがマンマークすることで、メキシコのカウンター時にプラッテンハルトだけが戻って守備の数的優位を築かせない狙いもあるのかも。ラジュンもカウンターに行かせることで。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
クロースにマンツーつけるのもビルドアップを阻害したいのではなく、DHチェーン切れをメキシコ側がコントロールできるようにする、クロースの移動経路問題を自分たちのカウンター時に活用する、という意図だもんなあ
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
これでもうクロースがマンツー剥がすために無理に左右に動く必要もないから、ドイツのネガトラは安定してくるはず
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
レーヴの意図はこれだとおもう>RT プレーモデルを壊さずにメキシコの意図を断つ(その前に、正確に見抜く)アイディアを持ってた。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
メキシコが用意してきた策に対し、エジルをボランチに下げ、ロイスを入れる動きによって、圧力を強めながらカオスな状態を作っていくドイツ。メキシコの準備を外すには、相手の読みにない形を作る。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
エジルがDHに入ったことで、ドイツの右クロスに対してクロースがセカンド拾える位置にポジショニングできるようになってる
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
ドイツがじわりと圧力を強め、メキシコは耐える時間がいよいよ長くなってきます。
メキシコのドイツを崩した完璧なカウンター。そのゴールを戦術カメラで見てみましょう。
— LFC BELIEVER (@King47Ynwa) June 17, 2018#GER #MEX pic.twitter.com/jFq77ESJ6B
しかしこの「戦術カメラ」は素晴らしいですね……!
ちょっと誰が誰だかわかりにくくなる、というのはありますが、選手間の距離やフォーメイションがよくわかります。ゾーンディフェンスマニアの人などにはたまらないアングルですね。
戦術カメラの良いところは、ほぼピッチ全体が映っているので、GKが裏抜けに対してどんな準備をしていつ飛び出してるかがわかることだね。
DFライン裏のスペースをいかに守るか。 pic.twitter.com/EfW736hekb— Rene Noric???? (@ReneNoric) 2018年6月16日
また、普段は画面に映っていないことの多いゴールキーパーもしっかり追えますので、GKクラスタにもおススメです。
私もテレビにて通常視点で試合を観つつ、ノートPCでは戦術カメラを、スマフォではtwitterのタイムラインを追っていますので、まともに試合を観ているのか怪しい状況に陥っています。
左サイド9番のラウール・ヒメネスはカウンターのためにもできる限り前残りさせたいから532…でもドイツがゴール前まで侵入してきた時は守備に戻って541
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
【後半29分 メキシコ、ラファエル・マルケスを投入。日本時間 6月18日 01:31 】
カオスを作り、地力で押し潰す。ドイツは正しい方法にて、メキシコ攻略を狙う。メキシコは歴戦の戦士、37歳のラファエル・マルケスを投入。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
16番、クロース番を続けていたがブロック形成を優先するように変更。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
メキシコがボール奪取してカウンター発動する前から右SHのラジュンは走り出す準備をしてる。ラジュンは前もしくは横を向いていることが、対面のドイツ左SBのプラッテンハルトは後ろ向き。ちなみにサイドで横向きに状況見て前線もみてるから、カウンター前からどこに走るべきか考えてる。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
籠城戦に持ち込んだ。マルケスいるから必殺フィードでいけますよと。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
全体の強度は落ちたものの、メキシコのカウンターはまだ死んでいない。メキシコは守備ラインを下げて撤退守備に移行しますが、ドイツは狙い通りに押し込みつつも、逆に追加点を奪われてもおかしくないシーンが何度も現出しました。
さて、この時間でクロースが自由に。ずっと抑え続けた形をメキシコに手放させた。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
【後半34分 ドイツ、マリオ・ゴメスを投入。日本時間 6月18日 01:36 】
メキシコが自陣に撤退を選択した事で、自由を謳歌し始めたクロースとエジル。そして満を持して登場のマリオ・ゴメス。クロースとエジルが自由を得た事で、ボールは運べる。クロスは入ってる。後は上から叩くだけ。非常にロジカル
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
ゴメスを投入していよいよ仕留めにかかるドイツ。
メキシコの守り方面白い。ドイツボールがメキシコの2ndラインの前にある時は、後ろ5枚ゾーンで見てて、2ndラインブレイクしてくる瞬間に、一気にマンツーに切り替えながら、さあこい!ってやるの。1人もズレないで。
— 渡邉大 (@dai_football) June 17, 2018
しかしながら、メキシコの守り方が良いのか、それともパスにこだわりがあるのか、ドイツはゴメスを投入しながら、さらにはイェロメ・ボアテンクまで前線に上げながら、それほどクロスを上げてきません。
これには一部のtwitter民からも不満が。
ドイツは回してる場合じゃないだろう!ゲルマン魂で放り込め!力こそパワー!
— ジェイ(CV:沖永雄一郎) (@RMJ_muga) June 17, 2018
ゴメスせっかく投入されたのに味方からも敵からもほぼ無視されてて笑える
— tkq (@tkq12) June 17, 2018
ザック「ハーフナーを投入したのになぜクロスを上げないのか?!」
— ジェイ(CV:沖永雄一郎) (@RMJ_muga) June 17, 2018
ボアテングまで上がって放り込む準備は万全なのにクロスが上がってこない
— 羊 (@GP_02A) 2018年6月17日
マルケスがDFラインじゃなくて中盤ってのも策的にえぐい
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
【試合終了 メキシコ、ドイツを撃破! 日本時間 6月18日 01:50 】
メキシコの戦いぶり、気力や体力だけではないその戦術に惜しみない称賛が送られました。
これはこの時点ですでにこの大会ベストゲームであるとともに、戦術史においてもメルクマールになりそう。すごい戦術、すごいプレー、すごい試合だった。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
これ、ポストグアルディオラの流れの中にも位置付けられる試合ですよ。ゾーン、マンマーク、ミックスそういうことではなくて、スペース(スモールフィールドではなく、フルコートで)をどう戦略的に一元性を持ってコントロールするか、そのためにどういう手段を選択するか、ゲームをオープンにするか。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
ドイツの完成度が高いことを逆用し、綿密な準備で相手の「防げないゾーン」を徹底して叩いたメキシコ。ハリルホジッチがアルジェリアで成し遂げようとしたことを、更に高いレベルに昇華しての実現。これは複数回視聴、必須のゲームになりそうです。
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
メキシコは、守備と攻撃は一体、というのをしっかり遂行していたと思う。そのために何を捨てて、何を得るか。捨てることはリスクを伴うけど、リスクを取らなければ地力で差のあるドイツに勝てない。メキシコの監督は勝負師だわ。
— サッカーアナライザー(戦術分析ゼミ「FIゼミ」管理人) (@_socceranalyzer) June 17, 2018
いやー、メキシコ羨ましい試合だなぁ。貫くとこんなご褒美もあるんだな。
— らいかーると (@qwertyuiiopasd) June 17, 2018
ルネ・マリッチの言っていた通り、ゾーンもマンマークも実在としては存在しないわけ。ホールスペース(ピッチ全体)をどう管理下に置くかという命題の中でこしらえられた抽象に過ぎない。だから、何をどう使うかという構想次第で全てが反転する。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
自分たちがバランスを失する時、相手もバランスを失する。その失い方をどう利用するか、というところで戦略できればこういう試合になる。レーヴの抽象化ゲームにオソリオの抽象化ゲームが勝った。とはいえ、後半でオソリオのこのエレガントな狙いを特定していたドイツもすごい。
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
これほどすばらしい試合のあとで観るサトミキは、いつも以上に美しく見える……
— 五百蔵 容 (@500zoo) June 17, 2018
オソリオ監督(メキシコ)「怪我などで替えなければならなかった選手もいたが、6ヶ月前からプランは描いていた。スピードのある両翼を置くことを考えており、ロサノはチーム1の快速だ」 https://t.co/K8KzTsBw1Z
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
オソリオ監督「ドイツは世界王者で、素晴らしいチーム。先制されれば攻撃を更に強めてくる。マリオ・ゴメスを前線に置かれたパターンの準備もしてあった」 https://t.co/IcOGoXLG1c
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
オソリオ監督「今日の教訓は、『敗北への恐れではなく、勝利への愛の為にプレーする』だ」 https://t.co/FB2LNwSweA
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
オソリオ「クロースとケディラの前後でプレーするカルロス・ベラは、役割を完璧にこなした。交代したくはなかったが、そこも含めてのプランだった」 https://t.co/2ZGUNXo3J5
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
オソリオ監督「メキシコのフットボールにとって、重要な歴史となった。メキシコのフットボールが発展することが第一で、この勝利はメキシコ人選手への関心を高めてくれる。私のことはその次で、選手と喜びを分かち合いたい。」 https://t.co/TE15zrNPwy
— 結城 康平 (@yuukikouhei) June 17, 2018
メキシコの成し遂げた偉業に、その試合内容にあてられて、寝る予定がそのままブラジル対スイス戦まで行ってしまった方も多数発生した模様です。
○ ○ ○
夜が明けてからも、続々と試合の感想、考察、分析、またはそれらの動画がアップされ続けました。
「日本のディフェンダーはもっとボールを運べないと。。。」とか言っているうちに「ボール運ぶのが習慣していることを逆手にとろうぜ」というのを観てしまい、本当に背中見えないくらいの差が開いているなと。
— Shizuoka Brain (@gorilla_soccer) June 18, 2018
メキシコの鬼認知とフットボール力が現れてる場面。スローインマンツーに対し死角から受け、出し手視野内に2枚サポートから抜けて展開。オーバーからのスリーオンライン。前取りからカットして裏取でライン間。ただのペアリング。ゴール認識してシュート。シュート認知してゴールに向かって前2枚走る。 pic.twitter.com/Cr5H8cqbvd
— 渡邉大 (@dai_football) June 18, 2018
ワイヤーロープで見るとよりわかるかもです。スローインの時、マンツーの剥がし方、味方認知してスペース作ってあげて、相手には自分認知させないで、サポート。左サイド3対3での横パス→斜めパス→横パスでシュートまで行ける仕組み。シュート認知による押し込みラン。全部事前に見て事前に動いてる。 pic.twitter.com/SqGFkYYVNI
— 渡邉大 (@dai_football) June 18, 2018
ゴールシーン。計画された戦術が見事にはまった場面。カウンター決める為にここから選手が必要なもの。基準と認知、ペアリングと動き出しを是非見て欲しい。パスラインという基準見て、誰に繋がりにいったか。どこに行ったか。ゴールまで連続してます。再現する為のポイント。メキシコ鬼見え鬼早です。 pic.twitter.com/xQ7QdIBXSq
— 渡邉大 (@dai_football) June 18, 2018
「ボアテンクとケディラにボールを持たせてるのがメキシコの罠だったんや!」というのはリアルタイムの時点で分析されていたし既にそういう記事も上がっているけど、注目すべきは「そこを空けることで繰り出されるドイツの攻撃は全て凌げる」というメキシコの戦術的デュエルの質なのではないか。
— ダビー (@fudiwokafutbol) June 18, 2018
【ゴールキックを見れば、チームの意図が見える】
メキシコはタッチライン際のSBに当ててセカンドボールを拾う設計。ただ前半はCBが低い位置で2-4-4。ドイツの4-4-2にガチ合わせ。片方サイドに集めず深さと幅を広く。後半は1-0なのでCBを高い位置。ビルドアップのリスク避け、深さも幅もコンパクト。 pic.twitter.com/V1mpGW4fdf— サッカーアナライザー(図解分析ブログ) (@_socceranalyzer) 2018年6月18日
メキシコのゴールキックからのポジショナル・ドライブ。ペナ横2枚の2-4-4から。まず最初からペナ横つけたら詰みます。ドイツ相手に蹴るのも得策ではない。ではどうしたか。真ん中空けておく、1人ゆっくり降りる、そこにつけレイオフ。相手がGKに食いつきギャップ出現。そこを見せコースに反転し前進。 pic.twitter.com/6KkniCgDN4
— 渡邉大 (@dai_football) June 18, 2018
いかがでしたでしょうか?
サッカーという競技の魅力とはどういうものでしょう。
鍛え上げられたフットボーラーが、より早く、より強く、ピッチを走り、正確で強いボールを蹴る。気力を振り絞って体をぶつけ合う。
それだけでもサッカーは魅力的なものです。
しかしながらその一つの走り、一つのキックに隠された「戦術」の意図が見えた時に、さらなるフットボールの魅力が見えてくるのではないでしょうか。
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Profile
ジェイ
1980年生まれ、山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』浦和担当に。footballistaには2018年6月より不定期寄稿。心のクラブはレノファ山口、リーズ・ユナイテッド、アイルランド代表。