【短期集中連載】Football is broken. We need to fix it.

　6月17日（水）の現地時間18時、マイケル・オリバー主審の笛でアストンビラ対シェフィールド・ユナイテッドのキックオフが告げられ、プレミアリーグは100日間の中断を経て再開した。少なくとも、私たちはそうなると予想していた。だが実際は、笛の合図とともに選手、コーチ、そして審判団が片膝をついて「ブラック・ライブズ・マター（Black Lives Matter）」を支持すべく、すぐにそれと認知できる力強いメッセージを送ったのだ。

　私が“すぐにそれと認知できる”と表現したのは、英国の外務・英連邦省大臣のドミニク・ラーブは何が起きているかわかっておらずにTV番組で「（ドラマの）『ゲーム・オブ・スローンズ』から持ってきたようだ」と発言したからである。その数カ月前、同僚のマット・ハンコック保健相は政府の新型コロナウイルス対策への批判を不器用ながら逸らそうとして「給料カットを受け入れ、貢献しろ」とプレミアリーグの選手たちに要求したのだ。与党の保守党がフットボール界を見下すのは今に始まったことではないが、現在の閣僚の質をマーガレット・サッチャーと比較するのはサッチャー元首相に失礼だろう。……

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Profile

ベン メイブリー

1983年、英国サマセット州・トーントン生まれ。プレミアリーグ、UEFAチャンピオンズリーグ、ベルギーリーグなどを担当するフットボール解説者。J SPORTS『Foot!』のプレミアリーグコメンテーターとして現在8年目。DAZN『Football Freaks』のレギュラーコメンテーター、スカパー！『Football TimeLine』のフットボールキュレーターを務め、『The Guardian』紙や『BBC』など英国メディアにも寄稿する。オックスフォード大学卒。