風間八宏の真・ユニット論 第1回
「ボールをトラップしたのに“止まっていない”」「止める、外すの目をそろえる」など独自の技術論を突き詰めた指導者として、日本で唯一無二の存在となっている風間八宏。彼の技術論は個人で完結しているわけではなく、人と人の意思の疎通や駆け引きがベースになっている。個人の技術解説でもなく、チームの戦術解説でもない、数人の集団で構成されるユニットの動きは、サッカー解説の盲点になっているのではないか――名手たちの隠れた凄みを、“局面を切り取る達人”が斬る!
第1回は、ユベントスのアルゼンチン人コンビ、パウロ・ディバラとゴンサロ・イグアインが見せた「2対6」の攻略の秘密に迫る。
Pick up MATCH
2020.1.15
Juventus 4-0 Udinese | Round of 16 | Coppa Italia
16’ Higuaín
イグアインのトラップは「ミス」だった
この得点の中には2つの要素があります。「成功」と「失敗」、「決定」と「変更」ですね。
このシーンだけでなく、ディバラはずっとイグアインを見ています。最初のパス交換の前の時点からずっと見ている。そこから出して受けてを繰り返して2対1を作り続けていますね。これが大枠です。
ただ、ラストパスの1つ前に注目してください。……
Profile
竹中 玲央奈
“現場主義”を貫く1989年生まれのロンドン世代。大学在学時に風間八宏率いる筑波大学に魅せられ取材活動を開始。2012年から2016年までサッカー専門誌『エル・ゴラッソ 』で湘南と川崎Fを担当し、以後は大学サッカーを中心に中学、高校、女子と幅広い現場に足を運ぶ。㈱Link Sports スポーツデジタルマーケティング部部長。複数の自社メディアや外部スポーツコンテンツ・広告の制作にも携わる。愛するクラブはヴェルダー・ブレーメン。