属人的でもマニュアルでもない戦術的ピリオダイゼーションの秘密
喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの本音トーク~
毎号ワンテーマを掘り下げる雑誌フットボリスタ。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。
今回は、難解なトレーニングメソッドである戦術的ピリオダイゼーションの解釈の仕方について考えを巡らせてみた。
今回のお題:フットボリスタ2020年3月号
「日本サッカーが今、知るべき戦術的ピリオダイゼーションって何?」
店主 :浅野賀一(フットボリスタ編集長)
ゲスト:川端暁彦
footballistaの「プレー原則」って何?
川端「今回の号は『戦術的ピリオダイゼーション』が大きなテーマとなっていますが、まさにこの話をサカナに巻頭で対談してしまっていますね」
浅野「ここで何を話すべきか難しいかもね(笑)。逆に巻頭対談で言えなかったこととしては、戦術的ピリオダイゼーションの考え方はサッカーに限らずに使えるなという話かな。実を言うと、自分の業務の参考にしているんです」
川端「え、どういうこと?」
浅野「例えば、編集者はライターに原稿を依頼するわけじゃないですか。そこでどこまで詳しくディレクションするかは悩みどころですよね。何をテーマに、どういう話をメインに据えて、どういった結論を導くのか。もう長く一緒にやっていて阿吽の呼吸がある書き手については、極端な話を言えば、大枠のテーマと文字数と締め切りを伝えるだけでいけてしまったりもします。ただ、初めて書いてもらう人だったり、キャリアの浅い人には細かくディレクションしなければならない。ただ、その時に、『こう書いてください』とあまりに深くやってしまうと、発想を狭めてしまったりもするよね」
川端「ありがちですよね。細かく指示をしていくと、そもそも編集が持っていないカードは場に出てこなくなる。編集サイドの発想を書き手側が超えていく可能性を潰しちゃうかもしれない」
浅野「そうそう。だから、匙加減の調整として使わせていただきました」
川端「具体的にはどういう感じですか? 原稿のゲームモデルを決める感じ?(笑)」
浅野「いや、ゲームモデルではなく、プレー原則の方ですね。フットボリスタが掲げている媒体のマニフェストを伝えました。これを用いたのはWEBのフリーテーマの記事なんですが、ウチの場合は『フットボリスタの11のマニフェスト』という媒体の基本方針があるので、これを伝えたんです。そこで挙がっていることの一つにも当てはまらないものはNG。当てはまる数が多ければ多いほどウチの媒体に適したテーマですよと伝えました」
川端「あー、なるほどね。基準を示すわけだ。ちなみに、11のマニフェストって何だっけ?(笑)」
浅野「作ったのはフットボリスタの初期の話で、まだまだブラッシュアップできていないのだけれど、ライターの皆さんに送ったのはこれです」
川端「フットボリスタが何を目指している媒体なのか。それをまず明確に伝えたわけね。これを基準に企画も考えられるし、原稿に盛り込んでいく要素も決めやすいね。確かにプレー原則だ」
浅野「一つのメリットとして、これをどう解釈するのかは受け手次第にしてあることです。その人の個性や創造性が出しやすいんじゃないかと。もちろん、何も与えないで『空気』を読んで仕事できる関係も素晴らしいし、細かいディレクションで作品のクオリティを保証する編集者も素晴らしいのだけれど、もう一つの選択肢として、判断基準を言語化して示してあげた上で、あとは受け手の判断に委ねるのも面白いなと思いました」
川端「まあ、編集者が手取り足取りやり過ぎると、パターン化しちゃうしね。誰に頼んでもその編集がやると同じテイストになる、という」
浅野「まさにそう。川端さんはエルゴラの編集長だったからこの感覚はわかってもらえると思うんだけど」
川端「編集サイドのディレクションどこまでやるべきか問題は常に付きまといますよね。短期的にはやりまくった方が良くても、長い目で見るとどうか、とかも含めて。あと特定の媒体に特化した書き手になってしまうのもその人の将来にとって良くないし、同じような記事ばかりになるのも媒体にとってはネガティブな部分もある。とはいえ、最低限のクオリティは担保したい(笑)。そのバランスは難しいですよね」
浅野「特に経験の浅い書き手は一つのパターンを教え込むとその通りにやりがちで、最初に出会った編集者の価値観や発想にとらわれるようになってしまうことも少なくない。そうじゃなくて、判断基準だけ与えて、あとは書き手に任せる。サッカーの何が社会へのメッセージになるかなんて、その人の感じ方次第でしょう。自分で考えたり、自分の価値観と媒体の価値観をすり合わせながら、自分が書きたい、世に出したいモノが何かを考えていくことが大切なんじゃないでしょうか」
「言われた通りにやったのに…」は進歩がない
川端「そこは経験が浅いならなおさら、ですね。先日、奈良クラブの取材に行ってきたんですが、やっぱりプレー原則を言語化していくというのは面白いなとあらためて思いました。特に新人にはいいな、と」
浅野「そうなんだ」
川端「スローインならスローインで一つの基準を言語化して示しつつ、相手次第、戦況次第、味方次第で当てはめて判断していく。特にセットプレーなんかはパターンでやるのもいいんだけど、失敗した時に、『言われた通りにやったのに』とならないのもいいのかな、と。あと、試合中だと『あ、練習したパターン通りやったのにうまくいかない。もうだめだ』とならないのもいいという話も出ましたけど(笑)」
浅野「なので、戦術的ピリオダイゼーションといっても、『ゲームモデルを作って……』と大げさに考えないで、チームの判断基準となる『何個かのプレー原則』だけでもいいと思うんだよね。俺がサッカー指導者だったら、そうするかもしれない。林舞輝監督が言う、“戦術的ピリオダイゼーション的な発想”ってやつですね。どんな理論も、実際に現場で機能しないのでは意味がないから」
川端「手段と目的を混同しちゃうのはよくある話ですからね。『ゲームモデルを作る』ことが目的になっちゃうとか。そもそも『何のためにゲームモデルを作るのか?』が抜けちゃうパターンは、実際の現場でも“あるある”でしょう。奈良クラブの話で言うと、ビルドアップの形で言語化したプレー原則を作って選手たちに実践してもらっていて、それによってビルドアップはスムーズになった。ただ、同時に『ビルドアップの目的化』が始まっている、と。例えば、SBが“偽”になること自体が目的になっちゃうんでは話が違うよね、という」
浅野「あとはサリーダ・ラボルピアーナすること自体が目的になっちゃうとかもあるよね。そうなるともうパターンと同じだからね。プレー原則の意味がない」
川端「でも、そっちの方が楽なんだと思う(笑)。日本式の教育の影響もあると思うのだけれど、僕らはどうしても『言われた通りにやったから』となりがちで。浅野さんのマニフェストを使うやり方も、他の編集者にやらせていると、『書き手に11のマニフェストを示す』ということ自体のパターン化が起こる可能性はあると思う。良い記事を書いてもらうための手段だったはずなのに、そこが逆転しちゃうんだ」
浅野「戦術的ピリオダイゼーションの目的は、『何も与えない』ことと『パターン』の中間じゃないですか。ただ、やっていくうちに『パターン』に流れちゃうのは確かにありそうだな」
川端「書き手によって、11のマニフェストのうち、8つは隠して3つだけ示した方が良い記事が出てくるなら、そっちの方がいいかもしれない(笑)」
浅野「目的を明確にしないといけないよね。いい記事を作るには、『書き手の価値観』と『編集者の価値観』のコラボレーションが大事だと思う。そのための手段は別に『1時間の打ち合わせ』でも十分かもしれないし、むしろそっちの方がいいことも多いと思う。ただ、すべての書き手と何十時間も打ち合わせしていくのは現実的ではないから、効率的に『1時間の打ち合わせ』と同じような効果を得る方法を探した結果の1つの方法でもあります」
川端「そうそう、そういう試行錯誤の結果ですよね、きっと。あくまで方法の一つで、もっと良いやり方もあるかもしれない。でも、そういった過程を抜かしてこれをやっておけば大丈夫という『効率的な方法』だけ教えられた編集者は危ない可能性がありますよ」
浅野「それはそうかもね。そうなると、『編集者のプレー原則』も別に作る必要があるのか(笑)。まあ、そんなことやっていたらキリがないけど」
川端「プレー原則を提示されればそこに合わせて後は自分で考える方が楽という人もいれば、じっくり話し込んだ方がモチベーションも上がってアイディアも出てくるタイプもいるでしょうしね。もちろん、労力とのバランスはあるけど」
「属人的」と「マニュアル」の中間
浅野「そこはもちろん、大前提だよね。俺も『この人は何も言わなくても、うちの媒体特性を考えていい感じの記事を書いてくれる』という人には、何も言いません(笑)。これはおそらく、サッカーも同じだよね。監督からして、『こいつは指示をしなくても大丈夫』という選手はいるでしょう。まあ、フットボリスタの話はここでは置いておいて(笑)、つまり何が言いたかったかというと、この考え方は他の組織にも有効だなということ」
川端「つまり、戦術的ピリオダイゼーションは奇をてらうような特殊な理論ではなく、人間組織において普遍的な考え方を示しているということを言いたいわけでしょ?」
浅野「まさにそうです。これは本質的な話だな、と」
川端「名前が良くないんだよな、戦術的ピリオダイゼーション。あくまでピッチ上に限定した戦術の話だと思うじゃん(笑)」
浅野「秀逸なネーミングだという声もあるけどね。ただ、例えば日本の企業のカンパニーポリシーって単なるお題目になりがちじゃないですか。社員ですら誰も知らないとか(笑)」
川端「あるある。学生が就活のために勉強した上でOB訪問行ってみたら、『?』みたいな顔をされるとかね(笑)」
浅野「でも、そうではなくて、会社のプレー原則を真剣に考えて、それをきちんとワークさせれば、判断基準がブレなくなるし、イコール会社のブランディングにもなるんじゃないかなと思ってて」
川端「それはゲームモデルというより、フィロソフィー?」
浅野「その2つはリンクしているもので、どうやって厳密に分けるかは戦術的ピリオダイゼーションでも難しいよね。さっきも言ったけど、そもそも完パケ導入じゃなくて、部分的に採用する形でもいいと思うんだよね。俺の11のマニフェストだってピリオダイゼーション(=期分け)の考え方は皆無だし(笑)」
川端「そこも含めて、結局は導入する人のセンスなんだよなあ。属人的な要素を廃していくみたいな話はJクラブのアカデミー改革でも取り上げられてるけれど、やっぱり『人』なんだよなという矛盾も感じている(笑)」
浅野「そこも0(属人的)か100(マニュアル)の話じゃなくて、そのいいとこどりになるような中間のメソッドが必要なんだと思う。日本は人に寄り過ぎなのは確かだから」
川端「それはそうね。ただ、これは文化的背景もあって自然にそうなっていった部分でもあるから、余計に考え方を変えるのは大変だなとも感じるわ」
浅野「Jリーグが提唱するヘッド・オブ・コーチング(コーチをコーチする担当者を置くシステム)の制度も、各クラブの指導者から必ずしもポジティブな反応が返ってこないだろうなとは想像できる」
川端「うん。そもそも日本の価値観って、『一国一城の主を任される喜び』みたいなのが重視される傾向はあると思うんだよ。『命令されない権利』が一番欲しいものというか。だから体育会系の上意下達文化の中で、命令されない(ように見える)『監督』は特別というか。それは部活文化だったのかもしれないけど、でもJのユースでも似たような感じはずっとあって。でもヘッド・オブ・コーチングの考え方とか、クラブでゲームモデルを統一しましょうみたいな考え方は、それを結構侵害するんだよね。当事者の監督からすると、『面白くない』部分はあるのかなと思う」
浅野「監督がいわば中間管理職になっちゃうわけだからね」
川端「そうそう。子会社の社長から中間管理職へ、という感じかな。組織図としてはちょっと違うけど、感覚としては」
浅野「育成年代の監督の位置づけは難しいな」
川端「まあ、これもまた話が戻っちゃうんだけど、ヘッド・オブ・コーチの担当者がめっちゃ能力あって、人望もあるなら、まったく問題ないと思うよ(笑)。仕組みじゃなくてね。逆にそうなければ……」
浅野「誰も従わないだろうね」
川端「従わないだけで済むならある意味でいいんだけれど、でも実際権限は与えられるわけだから……。個人的には、Jクラブのアカデミーで『監督に丸投げ』みたいなやり方の限界を凄く感じているのだけれど、一方で管理する側に能力がないと、丸投げよりも本当に悲惨なことになるのかな、という懸念はある」
浅野「まあ、この点はJリーグが頑張ってヘッド・オブ・コーチの育成や啓蒙に努めるしかないですね。これだけ18歳や19歳で若手が欧州に引き抜かれていく時代になっているので、Jクラブのアカデミーの在り方が変わっていくのはどのみち間違いないわけだし」
川端「全体としてはトライ&エラーしかない。ただ、Jクラブはフロントにどうしても継続性がないところが多いし、日本の企業文化そのまんまというところも多いから、啓蒙という部分では不安もある」
浅野「相変わらずネガティブだな(笑)」
川端「現実的と言ってくれ(笑)」
バラエティvsエビデンス?
浅野「まだ時間あるけど、他に話したいことある?」
川端「ざっくりしているな(笑)。話したいことと言えば、奈良で食った草鍋が美味かった。あれは凄いな。鶏ガラスープの鍋で野菜を茹でてるだけなんだけど。ただ、奈良は観光都市だけれど、コロナウイルスの影響でどこに行っても人が少なくて心配にもなった。日本経済、これを機にして本格的に沈んでいくのではなかろうか」
浅野「本当にネガティブな話しかしないな(笑)」
川端「夢見る少女じゃいられないから」
浅野「ただ、こういう時だからこそ、物事には裏表があることも見ないと。コロナの影響で手洗いやうがいをみんながちゃんとするようになって、インフルエンザの件数は減っているそうじゃない」
川端「まあ、結果として年間の病死者自体は減りましたということは起きるのかもしれない」
浅野「なんというか、ニュースの在り方自体を考えちゃうよね。例えばだけどさ、これでメディアがこの新型コロナウイルスの報道をしなくなったとしたら、みんな普通に生活するんじゃない? もちろん、感染症の隔離は社会的な重大トピックで報道しないのはあり得ないんだけど、集団パニックや感染者へのいじめ被害みたいなのに発展しちゃうのは考えされられるね。今だと感染したらネットですぐにさらされるでしょ。二次感染を防ぐという大義名分もあるしね。その潜在的な恐怖がさらに集団パニックを呼ぶという悪循環」
川端「逆に言えば今回象徴的だったのは、徹底してインターネットを統制してきた中国が、こうした事態の隠蔽をまったくできなかったことかな、と。当事者の武漢市民がSNSでガンガン発信しちゃったから、大ごとにしないようにという動きは当初あったと思うんですけど、事態の拡がりの前に諦めざるを得なかった」
浅野「中国といえども、ネットで個人が発信していく時代には限界があったわけだよね」
川端「さっき浅野さんが言っていた『メディアが報じなければ』が、そもそもあり得ない時代になっているんだと思います。あの中国でさえ、SNSを通じた情報の拡散を統制できないことがあらためて浮き彫りになったわけで」
浅野「一度拡散した情報や流れは、もう政府といえども収拾がつかないよね」
川端「サッカーもそういう意味で難しい時代だよなあ、と改めて。Jリーグも開幕節からいろいろなSNS絡みの問題が出ていますが、Jクラブが個人のSNSを統制するというのはやっぱり無理がある。そこに責任を求めるのもどうなのかな、と。うまくいく気がしない。差別発言しているというアカウントが実はなりすましサポーターみたいな例もあるようですし」
浅野「そもそも何が本当で、何が嘘かもわからない時代……。ただ、一方で最近感じるのがSNS時代になったことで、アカデミックの価値が上がっていることも感じるんだ。メンタリストDAIGOとか典型だけど、個人の発信が可能になった中で最初は『バラエティ系のYouTuber』=フローコンテンツが人気だったけど、次第に『アカデミックな視点からの問題解決策』=ストックコンテンツも評価されるようになってきたと感じる」
川端「それはあるね。娯楽としても成立するんだよ。俺も歴史とか科学とかの解説動画をよく見ているけど、勉強しているつもりは毛頭なくて、楽しいから見ている。例えば『蜀の呂布とは?』みたいな動画とか、別に学びという感じはないんだけど(笑)、でも断片的な史料から考えていく過程自体が面白い。で、そういうニッチに見えるコンテンツに万単位の視聴者がいるからね」
浅野「そういうコンテンツはずっと残っていくじゃん。だから強いよね。あと海外にもすぐ繋がるし」
川端「海の外と簡単に繋がっているのも本当に大きい。犬猫動画とかもホントに可愛さだけで簡単に海を越えていくし(笑)。これはサッカーもそうだよね。スーパーゴールが世界のどこかで生まれれば、1時間後には世界中の人の間でシェアされているわけで。地域リーグだろうと関係ない」
浅野「話が明後日の方向へ向かっていく気配を感じるので強引に戦術的ピリオダイゼーションに話を戻すと、日本でもきちんとしたエビデンスだったり理論を背景に問題にアプローチする人が評価されるようになってきているので、YouTube動画やSNSでもしつこくアカデミック発の理論である戦術的ピリオダイゼーションを解説していきたいんですよね。3月から始まるサブスクで」
川端「フットボリスタのやる動画コンテンツは密かに楽しみにしています。やり方次第だけど、すごく可能性を感じている」
浅野「川端さんも頼みますよ!」
川端「難しそうだな(笑)」
浅野「そこをわかりやすく語るのが腕の見せ所じゃないですか。動画だと間口は広くなるので、それでどこまでの人にリーチするのかは楽しみです」
川端「YouTubeのサッカー系の解説動画って、小中学生もたくさん見ているそうですし、そういう間口は大事ですね」
浅野「文字の記事がいらないとかはまったく思っていないけれど、小中学生は確かにYouTubeメインだよね。というか、俺もかなり見ているし(笑)。あとはラジオだね。そこも可能性を感じている」
川端「こういう流れの中でラジオ的なものが復権しているのは面白いなあと前から思っていた。バルもラジオでやるか」
浅野「サッカーとラジオは相性いいしね」
川端「そうなの?」
浅野「だって、スペインはいまだラジオ文化だよ。ラジオ局が大きな力を持っているし。『カデナ・コペ』とか」
川端「日本は野球があるからなあ。あれこそラジオ向きスポーツ。ただ、去年の高円宮杯U-18ファイナルで、会場に来た人限定で聴けるラジオ的な放送やったんですよ。副音声解説、みたいな。あれはかなり好評で、自分でもやりながらいろいろな可能性を感じました。Jクラブが会場でやっても面白そうだな、と。それこそボリスタが請負ってもいいかもしれないし」
浅野「まさにスペインでは、そんな聞かれ方もしています。スタジアム行った人が音声として聞いている」
川端「なるほどね。まあ、結論としてはボリスタのサブスク楽しみだからみてみてね、ということですか?(笑)」
浅野「川端さんも他人事みたいに言ってないで、ぜひご協力お願いします!」
川端「何か企画を考えるか。読者の方で何かやって欲しいことあれば、是非ご意見ください(笑)。僕はまず、11のマニフェストを熟読し、ボリスタ式のプレー原則、ゲームモデルを身につけておきます」
浅野「川端さんはファンタジスタなので、自由にやってください(苦笑)」
川端「絶滅危惧種やん……」
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Photos: Getty Images
Profile
川端 暁彦
1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣『エル・ゴラッソ』を始め各種媒体にライターとして寄稿する他、フリーの編集者としての活動も行っている。著書に『Jの新人』(東邦出版)。