川島永嗣への“総叩き”で感じた、日本でGKが育たなくなる危機感
喫茶店バル・フットボリスタ ~店主とゲストの蹴球談議~
毎号ワンテーマを掘り下げる月刊フットボリスタ。実は編集者の知りたいことを作りながら学んでいるという面もあるんです。そこで得たことをゲストと一緒に語り合うのが、喫茶店バル・フットボリスタ。お茶でも飲みながらざっくばらんに、時にシリアスに本音トーク。
今回のお題:月刊フットボリスタ2019年1月号
『「技術」「戦術」「メンタル」から新しいGK像を考える。』
店主 :浅野賀一(フットボリスタ編集長)
ゲスト:川端暁彦
「理不尽なポジション」の理由
川端「突き抜けた特集を作っていきたいとしてきたフットボリスタですが、今回は完全に行っちゃいましたね。GKだけで一冊とは(笑)。どうしてこの特集を組もうとなったのでしょう?」
浅野「GK特集はずっと会議のテーブルには挙がっていて、今季は特に川島永嗣のW杯での叩かれぶりを見ながら、単純に技術や戦術だけではなく、『10のファインセーブが1つのミスで吹き飛ぶ』GKという特殊なポジションをあらためてフォーカスすべきだなと考えていました。今回、その川島のインタビューが取れることになったので、このタイミングでやりました。川島はW杯後に『耐心力』という本も出しているけど、日本の第一人者としてGKのことをもっと知ってもらって、このポジションの地位を向上させていくことに自覚的な印象を持ちました」
川端「川島のインタビューは踏み込んだ内容でしたね。W杯での『ミス』と『ミスと言われたプレー』について本人に語らせたことを含めて面白かったです。彼がルーキーの頃からの付き合いがある片野さんが聞き手だからこその内容でした」
浅野「本人がどれをミスで、どれをミスじゃないと感じているかを伝えることは意味があると思って。過去にフットボリスタでは内田篤人にもピッチ上で何を考えているのかを聞いたことがあったけど、ピッチ上の風景は当事者しかわからない部分が絶対にあるじゃないですか。個人的にそこに興味があって。特にあまり理解が進んでいないポジションであるGKがピッチ上で何を考えているかを知ってもらうことには意味があると思ってやりました。だって今の日本で俺が子供だったら、絶対にGKをやろうと思わないからね」
川端「ミスしたらめっちゃ叩かれますからね。ミスをミスと指摘することも必要と思いますが、その枠を越えちゃってましたし。今回の号でイタリアのメンタルコーチのマルコ・カッサルドさんがGKについて語ってたじゃないですか。『ミスというのは我われに残された最も偉大な宝で、間違いを犯してのみ我われは学習が可能になるのです』。これは良い言葉だなと思いました。『あなたたちのやっている“カイゼン”が大事なんだ』とか言っているのはビックリしましたが(笑)。日本はどうしても逆の気風になってしまう」
浅野「失点シーンって、GKとかCBばっかりが目立つじゃないですか。ただ、実際は攻守が切り替わった瞬間に一人がサボっていたり、付くべき選手をマークしていなかったりと、GKとかCBの100倍くらい悪質なミスをしている選手がいたりするけど、その人は見逃され、その尻拭いで必死に体を張ったCBやGKだけが叩かれるのは単純に理不尽です」
川端「そういう意味では、フットボリスタが以前やっていた『真犯人を捜せ!』は良い企画でしたね。わかりやすく最後にやられた選手じゃなく、真の原因を探る」
浅野「そうそう、あのコーナーね(笑)。あと川端さんの言う通り、たとえミスだとしても、ミスは誰でもするものだからね。それを許容する社会にならないとGKは育たない。これに関してはGKに限らないと思うけど、GKについては特に顕著だよね」
川端「この前、ある強豪高校を取材した時にこれに関連して面白いなと思ったことがあって、失点シーンについて監督が激怒していたんだけど、それは最後に抜かれたCBでも、ちょっと甘めのコースのシュートを止められなかったGKでもなくて、その前のセカンドボールに対して競り合いにいかなったインサイドMFにめちゃくちゃ怒っていて。でもGKコーチに聞くと、『あれはGKが止めないとダメなんだ。俺は厳しくそこを言う』と。これ、すごく大事だなと思っていて、失点した時に『今のはGKは悪くない』と言うだけでもGKは育たないので、『今のはGKにも責任がある』とちゃんと矢印をGK自身には向けさせつつ、GKじゃない原因もちゃんと突き詰めることの両方がないといけないんだろうな、と。だからこの高校強いんだな、というのも見えた一幕でした。GKに対して高い水準のプレーを要求することはレベルアップのために不可欠だからもっとやってもいいくらいだけど、『わかりやすいミスをしたことだけ叩く』だとこれはいかんな、という」
浅野「それは、もちろんそう。まさに今のエピソードが象徴しているけど、難しいのは外からの視点と中からの視点の両方があることだよね。前者はマスコミやファン、後者はチーム内の話。さすがに監督やチーム関係者はもっとフェアだし、GKへの尊敬もあると思う。そこは他のポジションと変わらない。チーム内で正面から議論もできるし。ただ、外からの視点はGKへの理解がないと、GKのミスが目立つのでそこだけを理不尽に叩かれ続けることになるし、下手したら技術的にはミスじゃないプレーまでGKのミスにされてしまうことすらある。GKはプロのサッカー監督でも専門的な技術は語れないような特殊な職業だから、その難しさもあるんだけどね。だからこそ、その一端を伝えたいなと思っています」
川端「その『GKの専門家』も一括りにされ過ぎているんだと思うんです。さらにもう一段ある。GKって、『流派』みたいなのがあるじゃない。Aという国で正しいとされるプレーがBという国ではそうじゃないとか」
浅野「ああ、それもありますね」
川端「今回の特集だと濱吉さんのところで出てくるスロベニアのGKコーチが言う内容でも、人によっては別のことを言っているよなという部分が結構出てくる。そして彼自身も自覚的で『南米スタイルはまた違うよね。でもそれはそれでいいよね』と受容していますよね。『GKの専門家』が何かを言っている時、それは自分の流派の理論に基づいて主張する内容なのだということが見えてないと、『GKの専門家も川島を叩いた!』みたいな安直な乗っかり方になる。川島のインタビューでもクラブや国によって『正しい』とされるプレー、求められるプレーが変わってくる難しさを語っているけれど、そこも含めて理解しないといけないんだと思う。これって、俺たちはMFやDFのプレーついては自然とやっていると思うんだけど、GKにだけは何か唯一の正解があると思い込んでしまう傾向があると思うんです」
浅野「ブッフォンみたく待って両手で行くか、エデルソンやノイアーみたく最後は体ごとぶつけていくかも流派の違いだよね。ただ、どこに違いがあるとか、その流派の背景に何があるかが面白いところだと思うんだよね。川島はGKごとの得手不得手やモダンサッカーのスピード化の話をしてくれて、それぞれのメリット・デメリットを語ってくれたけど、それは本当にその通りだと思う。単純に良い悪いの話じゃない」
川端「そこも含めての『GK理解』だと思うので、その意味での今回の特集は良かったと思います(笑)」
浅野「俺も勉強になりました。ブロッキング技術のスターブロックとか、起き上がり方の技術とかも知らなかったし(笑)」
川端「俺、起き上がりの素早いGKが好きなので、その話が出てきたのはいいなと思いました(笑)。あと面白いなと思ったのが、マルコ・カッサルドさんが『なぜイタリアで急に若いGKが出てくるようになったんだ?』という問いに対して、若いGKが変わったんじゃなくて、起用する側のメンタルが変わったんだ、と言っていること。急に若者が上手くなったのではなく、今までも素質のあるGKがいたのに経験が重視されるポジションだとして起用されてこなかっただけだ、という話は興味深かったです。これは日本もあるんじゃない? というのも思わされつつ」
浅野「日本の場合はGKに限らず、全ポジションにその考えが当てはまりそうだけどね」
フィールドプレーヤー化するGK
浅野「今回、GK特集を企画したもう1つの動機が、『GKのフィールドプレーヤー化』という戦術トレンドをどう考えるかという部分でした。表紙にしたエデルソンが典型ですが、一番後ろでフリーになっているやつが反則級にキックが上手いと、相手はお手上げだなと。特に効果的なのは浮かせるボールで敵の頭の上を越えること。たいていパスコースを切りながらGKに詰めるじゃないですか。そこの頭の上を越されたらどうしようもない。フィールドには10人しかいなくて、後ろに1人余らせたら誰かがフリーになっていて、それはタッチライン際にいるSBであるケースが多いけど、そこにピンポイントでフィードが通るんだから」
川端「人数で対抗するにはGKもプレッシングに参加するしかない(笑)。そして、だからこそ、プレッシング狙いのチームは、戦術能力は当然として、単純に『足が速い』選手を求める傾向ありますよね。足りない部分を絶対的なスピードで補完する。ロンドン五輪のスペイン戦で、日本の永井謙佑が数的不利でのプレッシングなのに、単純に速いせいで何度も成功していたあの感じを『たくさんの永井』を使って、よりロジカルに組み立てるというか」
浅野「そこはせめぎ合いがあるよね。凄いスピードのやつが向かって来たら単純にビビるし、GKのミスは即失点だからね。そのバランスポイントをどこに置くのか。だから、そこまでして繋ぐのは採算が合わないという考え方もいち意見だし、それでも繋ぐというならその先にまた何らかの進化があるのかもしれない。いたちごっこで進化しているのが単純に面白いですよね」
川端「日本の育成年代はちょっと前まで、このいたちごっこがあまり起きなくて停滞感もあったのだけれど、最近は意図をもってボールを奪いに行こうというチームが増えて少し変わってきたのは良い傾向だなと思っています」
浅野「環境に適応する形の進化ってあると思うんですよね。それこそ昔のGKはバックパスを手で扱えたので足を使う必要すらなかった。それが禁止になった後、10年、20年経って足技に長けたGKが増えてきた。エデルソンみたいにGKがフィールドプレーヤーのようにパスワークに参加して最後尾からゲームを組み立てるモデルを見ている今の子供たちからまだ新世代のGKが出て来ると思います。そうなると、サッカー自体が変わるのかなと」
川端「それが多数派になった頃には、また別の革新が始まっていることでしょう。まさにサッカーのルールが変わることによる変化もあると思いますね。ゴールキックをペナルティエリア内で受けていいことになるというルール変更があるかもしれない。もし、あれが実現したら、ビルドアップが少し変わるのは間違いなくて、さらに革新的なアイディアも出てくるかもしれない」
浅野「このルール変更はデカいね。ビルドアップ側がかなり有利になる」
川端「相手の狙いがそれとわかっているなら、ペナすぐ外に選手を立たせてゴールキックと同時に猛ダッシュプレスも流行るかも。うまく触れたら即得点or相手の退場を引き出せる。あと、このルールだと、そもそもGKにゴールキック蹴らせる必然性がなくなるかもしれない」
浅野「最近は前からマークに付かれたらエデルソンみたいにGKにロングフィードを蹴らせるのが増えて来ているので、前から来たら蹴ればいいし、そこもいたちごっこになるだろうね。そうなると、プレッシング側の進歩も起こるでしょうし」
川端「もうすでに起こってきていると思います。賢くプレスできる足の速い選手がこんなにそろった時代は過去なかったと思いますし(笑)。それは育成年代にも自然と反映されてますよね」
「孤独な1人」から「11人の中の1人」へ
浅野「今回の特集では『技術』『戦術』『メンタル』の3つの側面から新時代のGK像に迫っているんだけど、大きなストーリーとしては<分離していたGKとフィールドプレーヤーの壁がなくなっていく>という仮説を立てています。もともとGKは練習も別々だし、技術もフィールドプレーヤーとまったく違うので、特殊ゆえに孤独なポジションだったと思うんですよね。ただ、今後GKを戦術に組み込む流れは加速しますし、トレーニングにGKが組み込まれる時間は長くなっていくはずです。最年少の19歳でUEFA-Aライセンスを取ったスウェーデンのエリートGKコーチはGK練習を20分早く始めて個別練習の時間を確保するのが理想と言っていましたが、その方向性は間違いないと思います」
川端「GKって、現状でもとにかくハードトレーニングにさらされる傾向があるので、練習時間が延びるのは気の毒な気もしますが(笑)。実際、年代別日本代表のトレーニングでも、GKだけ先に入ってGK練習をしておいて、フィールダーが合流するタイミングで混ざるということをやっているのを観ますね。こうした傾向は強まるのかも」
浅野「そのGKコーチは、20分早く入って個別トレーニング、フィールドプレーヤーが20分ウォームアップの時も個別トレーニング、つまり40分個別で、その後チームの戦術トレーニングに合流すべし、という鬼スケジュールを提案しています(笑)」
川端「GKに持久力が求められるようになりそうだ(笑)。日本式野球の練習は、まず練習に耐える持久力をつけるところからという話がありますが、サッカーもGKだけそんな感じになっていますよね」
浅野「その心はGKも戦術トレーニングの時間を十分取るべし、ただし個別トレーニングも絶対必要ということなんですが。それは今後のGKのあり方を象徴しているんじゃないでしょうか。これまで通りの専門性は求められつつ、よりチームの一員として機能するフィールドプレーヤー的な要素も求められるようになると」
川端「居残り練習不要論とか、練習は90分以内みたいなロジックも、フィールドプレーヤーありきで組み立てられたものですからね。専門的なトレーニングが欠かせないとされているGKだと明らかに違う。これはGKについてもようやく理論化されるようになってきたということなのかも。さらに逆に『ポジション別トレーニングって、もっと必要じゃない?』説がフィールダーに入ってきている流れとも通じます」
浅野「それはある。最近、あるサッカー解説者の方とそういう話をしたばかりです」
川端「あるJユースチームが平均的な選手ばかりを量産してしまっているんじゃないかという反省で、今年からポジション別トレーニングの時間を各年代で取るようにしたそうです。今までは全員一律トレーニングだったけど、何か違うのでは? と。ベルギーはそれで成功しているので、世界的な潮流もあるのかもしれません。ドイツなんかもFWだけは個別トレーニング必要説が根強いそうで」
浅野「そこは揺れている部分があるよね。戦術的ピリオダイゼーションもそうだけど、サッカーはサッカーをすることでしかうまくならない、という統合型トレーニングの流行があって、その後により効率的にやるために要素を取り出して集中して鍛える流れも出てきた。ポジション別トレーニングもその流れかなと。ただ、両方のバランスなんでしょうけどね」
川端「バランスだし、ケースバイケースだと思う。『これが絶対の正解』と思い込み過ぎるのはよくない。例えば足下が絶望的に下手なDFがいるなら、足下の技術に特化した個人練習『も』ちゃんとした方がいいでしょう。絶望的に大胸筋が足りないCBがいるなら、筋トレした方がいい。筋肉の付き方も技術の習得も個人差が大きいものなので。まあ、そういう足りない選手はさっさとクビにして、新しい選手を獲ってこられるようなビッグクラブなら必要ない考え方かもしれませんが(笑)」
浅野「日本的な発想では、弱点を個別に鍛える方に行きがちだよね。特訓文化というか(笑)」
川端「部活的ですよね」
浅野「ただ、それはそれで一つの正解なんだとは思う。GKがチームトレーニングに組み込まれたように、他のポジションにもGKのような個別トレーニングが課せられるようになっていくのかもしれない」
川端「大事なのはサッカーもトレーニングも進歩と変化を続けているということと、置かれた状況や選手によりけりな部分が大きいぞ、と。そこを認識しておくことじゃないかな。『バルセロナではこれをやっていたから、これをやっておけばOK』みたいな正解を求めていたら、その時点で終わりだと思う」
浅野「最後にまとめると、どう考えてもサッカーにおいてGKは重要じゃないですか。そこに強力なのがいるかいないかでチームのパフォーマンスが大きく変わるのは、マンチェスター・シティやリバプールがハッキリと証明していますよね。だから日本でも、GKがそれにふさわしい評価や栄誉を受けるポジションであってほしいですね。ミスをあげつらうのではなく」
川端「GKのミスってわかりやすし、海外でも失点や敗戦に直結しているから凄く叩かれるじゃないですか。ただ、日本の場合はそもそも『ミス=悪』みたいな図式が強過ぎるのも良くないな、と。これは社会や文化にも起因していると思うんですが。ただ、僕がより深刻に感じたのはGKが『褒められない』ことですよ」
浅野「それは大いにある」
川端「川島だとポーランド戦でビッグセーブがあったじゃないですか。FIFAからも表彰されたやつ。あれですら、一所懸命に否定する人がいたり、『本当にいいGKはファインセーブしない』みたいなのが、逆の意味で使われていたりね。GKのミスが失点や敗戦に直結しやすいのは間違いないですが、逆にGKの好プレーって、勝利に直結するんですよ。だから良いセーブをしたGKを、勇敢な飛び出しでチームを救ったGKを、もっともっと褒めてほしいなと思います。それはメディアももちろん、ファンができることだし、ファンにしてほしいことですね。日本はどうしても減点方式になっちゃうけど、そうじゃなくて」
浅野「それは100理ある(笑)」
川端「ミスして溜め息つかれちゃうとか、野次飛ばされるとか、そういうつらい部分がGKというポジションには絶対ある。ただ、欧州でGKがそれでも人気ポジションなのって、ミスしても叩かれないからとかではなく、失点した時に『今のはGKのせいじゃない』とか言ってもらえるからでもないと思います。スペインでプレーしているU-21日本代表の山口瑠伊選手も言っていましたが、むしろ失点の責任をGKに負わせることについて欧州はメチャクチャシビアです。でも、その考えからいけば、逆に失点を防いだ場合の最大の功績をGKに求めるわけです。サモラ賞(リーガで最も失点率の低いGKに贈られる)が最優秀GKの賞として権威を持つのも、そういうことなんだと思いますし」
浅野「なるほどね」
川端「では、なんでGKが人気ポジションなのかと言えば、ビッグセーブした時にムチャクチャ褒められるから。無失点なら絶賛される。まさしく英雄になれる。『お前のおかげで勝ったぞ』と言ってもらえる。日本のGKについても、そういう加点方式の発想をしていくことが大事なんじゃないでしょうか。『凄いGKは誰が見ても凄い』(by川島永嗣)わけで、もっとGKを褒めましょう(笑)」
浅野「日本的な減点方式だとミスの目立ちがちなGKにとってはきついからね。『もっともっとGKのいいプレーを誉めようぜ!』というのを結論にしましょう。今日はありがとうございました!」
●バル・フットボリスタ過去記事
- 1. 「0円移籍」はなぜ危険なのか。欧州サッカー移籍ビジネスの論理
- 2. “ガラパゴス化”は善か悪か? メキシコの葛藤は日本の先行事例
- 3. 遠藤保仁やピルロの時代は終焉?「ボランチ=司令塔」はどこへ行く
- 4. ハリル日本のグダグダ感は情報戦? メディアもファンも試されている
- 5. サッカーメディアの課題は指導者に「書かせる」こと?
- 6. ポジショナルプレー=流行語大賞? 求む!「日本サッカーの日本語化」
- 7. 柴崎岳の戦術センスの源泉とは?「未来のサッカー選手」の育て方
- 8. 論理では説明できないハリル解任劇。「謎の国ジャパン」は対戦国も脅威
- 9. JFAを悩ます日本人監督の育成。改革のキーワードは「明治維新」?
- 10. ゲームモデルサッカーのお披露目。W杯で見える「世界の壁」の正体
- 11.前編 ドイツ、イングランドは危険?人工的なゲームモデルの限界
- 11.後編 日本代表の暗黙のゲームモデルvsハリルの「裏」志向の対立
- 12. Jリーグのアジア戦略の難敵は、JUVENTUSのブランド戦略?
- 13. 代表の森保は広島の森保に非ず。「世界」を追いつつ「日本」を見る
- 14. ポジショナルプレーとストーミング。最後に問われるのは「好き」の感情
- 15. 新世代スターの育て方は計画的に。日本の理想モデルが堂安律な理由
- 16. 川島永嗣への“総叩き”で感じた、日本でGKが育たなくなる危機感
- 17. モウリーニョの敵は『SNS世代』。もうロッカールームは聖域ではない
- 18. 健全ドイツサッカーが育成で苦戦?「儲ける」で一致団結できる強さ
- 19. 宮市亮やロッベンから学べること。サッカー選手をケガから守る方法は?
- 20. Jリーグにも「ブーム」の兆し。欧州発のゲームモデルって何?
- 21. 倉敷保雄と考える「南米」の魅力。南米サッカーの言語化は可能か?
- 22. プレミア支配はただの金満に非ず。問われる「1強リーグ」の在り方
- 23. 水面下で進む大きなルール改正。「リアルタイム分析解禁」が意味するもの
- 24. 「カジュアル化」した欧州移籍。 今こそ問われる制度設計の不具合
- 25. 欧州クラブと若手日本人の思惑一致。「狙われるJリーグ」の生存術とは?
- 26. 「守る」or「繋ぐ」モダンCB論。行き着く先はブラックサッカー?
- 27. ナーゲルスマン+ストーミングに日本代表の悩み解決のヒントがある
- 28. モウリーニョと小嶺先生の共通点!?“キャラ変”できる指導者の凄み
- 29. 属人的でもマニュアルでもない戦術的ピリオダイゼーションの秘密
- 30. どこよりも真剣にJapan’s Wayを掘り下げる。「日本人らしさ」という幻想と向き合えるか
- 31. Jリーグの「欧州化」が進んでいる?川崎が目指すべき理想はアタランタ
- 32. エコロジカル・アプローチで「我が意を得たり!」。トレーニングの学問化が明らかにする「選手の学習システム」
- 33. “後出しじゃんけん”ではございません。異質なカタールW杯を前に、日本代表の新たな在り方を提案する
- 34. 日本代表のロールモデルはクロアチア?ドイツとスペインから学んだ「強固なゲームモデル」の表と裏
- 35.ウイングはエコロジカルに育てるべき。三笘薫の成長プロセスにヒントがある?
- 36.欧州移籍するなら狙い目はJ2?「MCO×サウジ」の波及効果はJリーグも直撃する
- 37.ピッチの中も外も「対応力」の時代。ロングスロー論争が無意味である理由
Photos: Getty Images
Profile
川端 暁彦
1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣『エル・ゴラッソ』を始め各種媒体にライターとして寄稿する他、フリーの編集者としての活動も行っている。著書に『Jの新人』(東邦出版)。