
新・戦術リストランテ VOL.58
footballista創刊時から続く名物連載がWEBへ移籍。マエストロ・西部謙司が、国内外の注目チームの戦術的な隠し味、ビッグマッチの駆け引きを味わい尽くす試合解説をわかりやすくお届け!
第58回は、ラ・リーガ第28節アトレティコ・マドリーvsバルセロナで起こった2-0→2-4という怒涛の逆転劇で思い起こされた、35年前のスペクタクルの探求者たちの記憶を綴る。
70分以降にいったい何が起きたのか?
三つ巴の優勝争いを繰り広げているラ・リーガの大一番、アトレティコ・マドリーvsバルセロナがありました。結果は2-4でバルセロナが勝利。1試合未消化ながらアトレティコとの差を4ポイントに広げ、レアル・マドリーと勝ち点60で並んでいます。
スコアから想像される試合とは少し違うと思います。途中まではアトレティコが勝つのではないかと思っていました。
45分にアルバレスが決めてアトレティコ先制。いつも通りボールを保持して攻め込んでいるのはバルセロナですが、70分にはセルロートのゴールで2-0となります。
バルセロナは70分間、ほぼ一方的に攻めながらノーゴール、さほどチャンスも作れていない。一方でアトレティコは少ないチャンスをモノにして2点差ですから。まあ、誰が見てもアトレティコが勝ちそうに思うでしょう。
ところが、急にバルセロナが目覚めます。72分、レバンドフスキ。78分、フェラン・トーレス。そしてロスタイム92分にヤマルが逆転の3点目。98分、フェランがダメ押しの4点目。
いったい何が起きたのか?
理不尽にも思える試合を振り返ってみます。
コンパクト同士でも守備効率に差
実はアトレティコが先制する前から、何となくアトレティコが勝つのではないかと思っていました。バルセロナがより難しい戦い方をしているように見えたからです。……



Profile
西部 謙司
1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。